恐ろしいクッピン(羽蟻)の季節
もう今の時期からニヶ月ほど前の話になりますが、私はブラジルで毎年9月を過ぎると、どこかそこはかとない恐怖を感じながらソワソワと気持ちが落ち着かずに過ごしていました。
というのも私の住んでいたブラジルの街ではクッピンという恐ろしい虫が大量にやってくる季節だからです。
クッピンとは
日本語に訳すと羽蟻。飛ぶアリです。ブラジルの多くの地域で春ごろに大量に現れます。
見た目&飛ぶ音の恐ろしさ
ブラジルにきて初めての年、まだクッピンの存在を知らなかったとある9月の夕方。やけに大きな「ブーン」という音が鳴っているなあと思い天井をふと見てみると、天井の電球を覆い尽くすのではないかというくらいの大量の虫が飛び回っていました!ブラジルの田舎町に来てからは部屋に十匹以上の虫が家の中をたむろすることも多く、もともと虫が苦手だった私は何とかこの状況に対策することも含めて慣れてきたところでした。そんな状況でしたので初めてこの大量のクッピンを見たときには卒倒しそうになりました。私の家にやってきたクッピンは体長1センチほどでしょうか。アリにしては大きく、また大きく立派な羽を持っていました。このアリが何百と天井の電球近くでクマのプーさんの蜂のように、いやそれ以上にわんさかとけたたましい音を立てながら飛び回っていたのです!虫の苦手な私からしたらホラー映画の一シーンのようにしか見えません。
この日から私はクッピンに対して強い恐怖心を持つことになりました。
木製の家財道具が襲われる恐ろしさ
クッピンが恐ろしいのは見た目や飛ぶ音だけでなく、日本のシロアリのように木製の家財道具、時には家そのものを食べていき、被害を及ぼすもので、見つけた時には徹底的に駆除しなければならないとのことでした。
対策
クッピンはブラジルで春になる季節の9月ごろ、私の街では数日だけ夕方に大量に飛び回ります。そのため9月ごろには多少空気の循環が悪くなったとしても、夕方前には必ず窓を閉め切る必要があります。(逆にこの数日を過ぎると数は激減し、多少気を緩めても大丈夫でした。)万一家の中への侵入を許してしまった場合は、クッピンは光のある方向に集まるので部屋の明かりを一箇所だけにして、集まったクッピンを電流が走るラケットや殺虫剤などで一気に仕留める必要があります。また土の中に巣を作るので、観葉植物などを置いている場合は土に酢を振りかけるなどしなければならないそうです。
余談 クッピンは食べられる?
その後ブラジル北部の先住民族の村に観光で訪れた時に、クッピンの素揚げが屋外のテーブルに置かれていました。アマゾンに住む彼らはこのクッピンを食べているということに驚きました。
私も食べてみていいと言われたので、ブラジルに来た当初クッピンにホラー映画並みにショックを与えられたことへの復讐?という意味も込めて食べてやろうか、と頭がよぎりました。しかし結局諦めました。というのもブラジルに来てさまざまな食べ物にチャレンジし、何度かお腹を壊した経験があったためです。ブラジルでさまざまなことにチャレンジをしようと決めた私ですが、復讐心に駆られ旅行中幼子を抱えた状態でお腹を壊すのはアホらしすぎます。
まとめ
ブラジルには、特に私の暮らした田舎街では、日本では見かけない害虫や、蚊など日本と比べて危険度の高い虫などが多くいました。その対策は生活していく中で必須の知識だったのですが、今後も虫問題についても書いていけたらと思います。日本に住む方には何の為にもならない話かと思いますが、今後南米を訪れる方への一助に少しでもなれたら幸いです。