目覚ましの高等技術。
先週の土曜日。
やることもないので自宅で映画を見た。
最近はYouTubeで短い切り抜き動画をみることに慣れすぎていて、長時間の映像作品に集中する、という行為がなんだかおっくうだ。
なるほど、映画は映画館で見る、という本来あるべき姿に回帰するのかな、とか思ったり。
とにかく、少し集中して映画を見た。最初の7分くらいを見て、これは気になると思ったものであればそのまま続きをみる。でも、これは微妙、というものならば容赦なくストップする。世界の映画関係者のみなさん、こんなカス視聴者で申し訳ありません。
ある映画を2時間見切ったはいいものの、なんだか眠かった。時計を確認すると、15時になろうとしている。
うーん、と悩んでお昼寝をすることにした。「この時間にお昼寝する幸せを噛み締める〜!」と叫びながらベッドに入る。ベッドに入ると、充電切れを起こしたようにすぐに眠ってしまった。
……
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フライパンのカンカンという音、肉が焼けるジュワジュワとした音で目が覚めた。遠くで音が鳴っている。ついでに匂いもする。料理の匂い。何時だろうかと思って時計を見ると、時刻は17時半前だった。もう2時間も眠ってしまったのか。
ずっとこのままでもいいと思ったけれども、なんだか起きなければならない気がして、ベッドから出る。ダイニングへ行くと、キッチンでは妻が夕飯を作っていて、もうほぼ出来上がっている。
「2時間半も寝ちゃった」と言うと「あたしは1時間寝た」と言う。
「あ、そうなんだ」と言うと「もう、いつでも食べられる」と言う。
「え、あれだね。俺の目を覚ますために『起きなよ』って声をかけるんじゃなくて、料理の音で起こすってやつだねそれ」
「そうそう、料理の音のやつ」
「それ、目覚ましの高等技術だよね」
「うん、高等技術だね」
夕飯は牛丼だった。
お野菜とお味噌汁、
私のノドのために食後には薬を飲んだ。
薬は不味かったけど、ご飯はとてもおいしかった。
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