2万メートルの頭痛。
年末年始の9日間はほとんど家から出ずに過ごした。
自宅で運動する習慣もないので、自然、運動不足になる。きのうは仕事始めということで外に出た。
事務作業をしつつ色んなところを歩いてまわった。自宅に帰るころには足がパンパンになり、足首、ふくらはぎ、太もも、股関節の内と外がきしんで痛む。「ちょっと歩きすぎた」と後悔した。
スマホの中に入っているヘルスケアアプリを見てみると、今日の歩数は2万歩を超えている。一歩が1メートルと考えると、ああ恐ろしい。
年末年始の期間はほぼ家の中にいたわけだから、歩く歩数はどんなに多めに見積もっても3000歩もいかない。なのに仕事始め初日から2万歩。やりすぎである。妻からは「寝る前にストレッチしないとダメだよ」と言われた。「うん」と答える。
ストレッチをせずに眠った。
だれかに指図されてそれを行動に移すような純粋さを持ち合わせていない。早朝5時に目が覚めた。頭が痛いのだ。じんじんと頭痛がする。鈍痛だ。まだ太陽も昇っていない暗い部屋の中でひとりベッドに座り込む。「なんだこの頭の痛みは?」頭が痛くて目がさめるだなんて今までなかった。ずいぶんと頭が痛い。
もしかすると「脳出血」の前兆なのでは?
自分の顔の半分が麻痺していないかチェックする。口と目を左右に動かしてみる。動く。よい。次に言葉を発してみる。
「あ・か・さ・た・な」
「い・き・し・ち・に」
「これは脳出血ですか? ちがいますか?」
声に出してみるときちんと発語ができる。ということはこれは脳出血の前兆ではなさそうだ。ほっと胸を撫で下ろす。
なぜこんなに頭が痛いんだろう?
もしかして、と思って枕を見てみる。枕が自分の頭に合ってないのではないか? という疑いをいまさら持ってみる。枕をチェックする。いつも通りである。おかしいな。
腕をぶん回してみた。右腕も左腕も回る。回るのだが疲労・コリみたいなものを感じる。「これは?」と思い、頭を後方に倒してみた。後頭部の首の付け根がいつもより固い。コッている。
暗い部屋の中できのうの行動を振り返ってみる。きのうなんか特別なことしたっけ? あ、歩いたんだ。2万歩。それか。2万歩を歩くと頭痛がするんだな俺は、と気づく。朝ぼらけの眠気まなこであるから、きのうの歩きすぎ由来の頭痛だと気づかなかったのだ。
妻に言われたとおりストレッチしておけばよかったな、と思いながらまた眠った。身体は全体的に筋肉痛気味である。今年は妻の言いつけを守ろうと思う。純粋であれ。
【関連】運動習慣についてはこちらもぜひ