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ラテアートひとつで
ひとときを思ってローソン。
小雪がちらちら舞う。
あふれたものは忘れたふり。
けらけらと笑い転げる。
向き合ってひと息。
あることに驚くかわいらしさ。
揺らぐものはそのままに。
大切な用事をすませて、ほっとひと段落ついた。
夫と別の用をすませた帰り道、そんなつもりはなかったのだけど、珈琲でも飲んで一息つこうと、前から気になっていた珈琲屋さんへふらりと入った。
珈琲のいい香りがお店の外にもふわり。
こじんまりとした小さなお店。
「どうぞ」とお兄さんが声をかけてくれて、席に着く前に注文。初めてのお店だったから、メニューの一番上に書いてあったハンドドリップ珈琲にしようかなと思ったけど、ビターチョコレートの風味というのに惹かれてカフェモカにした。
小さなカウンターの席で待ってると、珈琲が運ばれて来た。目の前に置かれたのは、シンプルなハートのラテアートのカフェモカ。
ラテアートはいろいろな場面で目にすることはあったけど、実際に目にしたことはなくて、いまさらながら初めてのラテアートだった。
目の前に置かれた瞬間、「わ!」という声が漏れ、思いがけないプレゼントのようにうれしくて、ハートが描かれていることにこんなにもハッピーな気持ちになるんだなぁと思った。
ハートだったからというわけじゃなくて、ほんのちょっと温かい気持ちがプラスされたような気がしたからかもしれない。
忙しい合間にそっと小さなお菓子を差し入れしてもらったような、ただのメモ書きに一言添えられていたような、どこかに出かけた時に思い出してくれてさりげないお土産をもらった時のような。
温かくて、こっくりした苦味と、ほんのりした甘さが感じられて、とてもおいしかった。
おいしそうなカヌレやケーキもあったのだけど、車の中で甘いチョコをつまんでいたので、カフェモカだけをゆっくり味わいながらのほんの20分ぐらいのひと時だったけど、ほっとするひと時だった。お店の2人の温かで優しい人柄も心地よかった。
こんな風に人の気持ちをふわっと軽く出来るような何かを私も見つけられたらなあと思った帰り道。