テニスのゼロポジション 〜ジョコビッチの肘は下がってる?〜
ゼロポジションをキープするのは何も野球に限ったことではなく、テニスでも同じ。昨日書いた、ゼロポジションの話はこちら↓
人は嬉しい時、なぜガッツポーズをするのか?〜肘を下げたらダメなワケ〜
先日、全豪オープンで優勝したラファエル・ナダル。
彼のフォアハンドは肘が伸びたストレートアームと呼ばれるもの。
写真の通り、肩から腕までが直線でゼロポジションをキープしているのがわかる。
ところが、一番上の表紙の写真のジョコビッチ(世界ランキング1位)のフォアハンドは、ダブルベンドと呼ばれるタイプで肘を曲げている。この写真を見る限り、どうも肘が下がって、昨日書いた、ゼロポジションから外れているようにも見える。
しかし、肘が下がってもゼロポジションはキープすることができる。
ここでもう一度思い出して欲しいのは、
ゼロポジションとは肩(肩甲骨の肩甲棘)と腕が一直線になること。
つまりは肘が下がってもそれは可能になる。
それは肩の構造に秘密がある。
肩甲骨は肋骨の後ろにこのようについている。
肩甲骨と肋骨は靭帯などで固定されていない。
周りの筋肉によって張り付いているだけ。
なので筋肉を全部取った図のようなガイコツだとポロンと肩甲骨から腕は落ちてしまうような構造になっている。
ということは、肩甲骨というのは背中を上下左右どの方向にもスライドすることが可能なわけで。さらに上の図のように肋骨は丸くなっている。この丸くなった上を肩甲骨がスライドするとなるとただ平面上にスライドするだけじゃなっく、三次元に動くことになる。肩甲骨がうまくスライドしてくれれば、腕や肘が下がっていてもゼロポジションは可能になる。
なので、イチローの肘が下がっているこのバッティングもゼロポジションをキープしているわけで。
ということは、肘を下げるとかよりも、まず大事なのはいかに肩甲骨を柔らかくするかということ。
その柔らかさというのは腕がいかに動くかではなく、
いかに肩甲骨がいろんな方向へ大きくスライドするか?
が、いい肩甲骨だと言える。
例えば、エンジェルスの大谷投手なんかは肩甲骨がグニャグニャ。
これによりあらゆる方向でゼロポジションをキープできる。さらにより深く、腕をねじることができるので、より強く腕を振ることができる。
今日もアメリカ代表のラグビー選手をマッサージしたが、肩甲骨はグニャグニャで。肩甲骨の下に親指がスルッと入るくらい柔らかかった。
うちのマッサージではそのように肩甲骨の下に指が入るようになる。
アスリートならパフォーマンスが上がるし、一般の方なら肩こりの解消につながる。
ということで、当院の治療に興味のあるかたはこちらまで。
Kiichiro Sports Fascia Massage NYC