実家の片付け2
実家の建て替えに伴って、私物を片付けに行った(2回目)。今回はダンボールに詰めるだけだったので、わりと早く作業を終えられた。
家族はもう仮住まいに移っているので、家の中はガランとしていた。
作業が一段落したとき、「これでこの家も見納めなんだな」とふと思った。昔母に怒られたあと、私はこの階段に座って母の様子を伺ってたな、と思い出して、小さいときと同じように座ってみたりした。でも特にそれ以上の感慨はなかった。
もうすぐ解体工事がはじまるらしい。そう思うとなんとなく複雑な気持ち。家族と過ごした最後の3ヶ月くらいはとてもつらい期間だったが、記憶を辿るとこの家で楽しく過ごした記憶もなくはない。朝1人だけ早起きして薄暗いなか絵を描いて遊んだり、夏クーラーがきいた部屋でソファで気持ちよく寝たり、庭でつくしや虫に触れて遊んだり……私の子ども時代はこんなにもあっさり壊されてしまうのだろうか、とも思う。しかも、建て替えを推し進めた母一人の意向で。
家はだいぶ傷んでいるから、建て替えしてもらうことは全く構わない。でもなぜ、いつ、どのような計画で建て替えを行うのか、事前に言ってもらえなかったのか。そのことが引っかかって、私自身、前に進めない気がする。何度も何度も、過去に戻らざるをえない。損した気分になる。
片付けながら父に、「お母さんは引っ越しエンジョイしてた?」と訊いたら、「梱包が終わらなくてイライラしてたよ。」と答えが返ってきて、少しスッとした。
以前は、母に痛い目にあってほしい、と思ってしまう自分が嫌だった。でもこう思ってしまうのは、私自身のトラウマケアが足りていない証拠なのだ(これは信田さよ子さんの講座を受けてわかった)。だから傷が癒やされるまでは、母に対してどんなに醜い感情抱いても良いことにする。
片付けがんばったよ自分。お疲れさま。
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