矢野タイガースへの感謝を書き留めたかったのでこの場を借りてみた

2022年10月14日、阪神タイガースがファイナルステージで敗退し、
「矢野タイガース」の最終試合が終了した。
とても悔しい終わり方をしたけど、首脳陣や選手を責める気にはまったくならなかった。
悔しさと、矢野監督が、矢野タイガースがもう見れないという寂しさ、そしてとてもたのしく熱かった4年間への感謝の気持ちでいっぱいだった。

自分はずっと阪神タイガースファンだったけど、今までで間違いなく一番阪神タイガースを好きになれた4年間だった。熱く応援していたけど、采配やプレーに文句をつけたり怒ったりすることはほとんどなかった。
それは我が子と今年の7月、かつて阪神タイガースで活躍した今成選手と上本選手のトークショーに出向いた際に、今成選手が我が子に「お父さんは阪神負けたら機嫌悪くなる?」と聞き、我が子が「お父さんはそんなに(悪くならない)。」と答えてくれたことが証明している(笑)。
矢野タイガースの4年間では優勝することができなかったし、エラーの数もNo.1、幾度となく得点チャンスを逃すなど課題面も多かったと思う。それゆえに、一部のファンやOB、メディアによる雑音も本当に酷かった。負ければもちろん悔しかった。それでも「何やってんねん!」と怒ることはなかった。矢野采配は自分としては意図を理解できなかったことがなかったし、批判することもなかった。
2003年や2005年のような「強さ」に惚れ込んだということではない。ただただ矢野タイガースが好きだったのだ。ここまで純粋に阪神タイガースを応援したのは初めてだと思う。

過去で阪神タイガースに熱中できたと印象に残るのは、やはり2003年だ。
この頃の名場面は今でも思い出せる。
しかし、この頃は阪神タイガースが、というより、阪神タイガースの選手が好きだったのだと思う。正直この頃は「推しの選手が活躍して勝つ」ことが嬉しかった。そのため、推しじゃない選手がヒーローになると嬉しさは何%か(けっこうな割合で)減っていた。そしてその好きだった選手が移籍したり引退するにつれ、なんとなく熱も冷めていった。
申し訳ないけど、真弓監督時代のことは城島選手しか印象に残っていない。あとのことはほとんど思い出せない。
和田監督のときにCS勝ち上がって日本シリーズ行ったということも、そういう事実があったことは覚えているが、そのシーンはまるで思い出せない。
先日我が子に「ゴメスってどんなバッターだったの?」と聞かれたが、一度打点王になったことがある、としか答えられなかった。他に印象が残っていないのだ。他にもこの頃に活躍していた選手について聞かれたが、申し訳ないことにほとんど答えられなかった。
試合を見なくなったということではない。見れるときにテレビ中継は見ていた。勝てばそれなりに嬉しかったと思う。しかしそこに熱さはなかったのだろう。
金本監督のときには、一部のファンやメディアによるバッシングが本当に嫌になって、テレビ中継で見ることもほとんどなくなった。
ガッツリ阪神ファンの方からすれば、自分なんて「強いていうなら阪神」ぐらいのファンだっただろう。

そして金本監督から矢野監督にバトンタッチされ、たぶん最初は「監督変わってどうなるかなー。」ぐらいに軽く見ていた。
ところが、そこから矢野タイガースにどんどんはまっていった。
開幕1、2番がルーキーの木浪、近本。高年俸のベテランやFA選手を「高いお金払ってるから使わなしゃーない」というのではなく、例えルーキーでも成果を上げれば積極的に使って躍動させていた。そして話題にもなった矢野ガッツ。今までの阪神タイガースとは明らかに違っていた。
今までの阪神タイガースは、あくまで自分の印象だが、とにかく大人しかった。球団としても、集客やファン獲得のためにどんどんパフォーマンスしていく他球団と比べて、何もしなくてもお客さん入るから何もしないというような、ある意味大人しい感じだった(実際のところは「阪神タイガースでも何かやろうと企画提案したことはあるが、警備などの理由で実現することができなかった」というような選手の談話を聞いたことがあるので、何かしたくてもできなかったんだと思う)。
しかし矢野タイガースでは、打てばガッツポーズをしたり、はしゃいだり。サヨナラ勝利に監督が涙したり、阪神タイガースは変わろうとし、実際に変わった。今までの阪神タイガースでは見れなかった雰囲気や、選手たちがひたむきに躍動する姿に本当に励まされた。「諦めない」「超積極的に」「誰かのために」という姿勢が、本当に自分の心にも響いた。矢野監督の考えがメディアを通して伝わり、それが自分にも刺激になったので、残業などで試合が見れなかったときも、矢野監督の試合後のコメントは毎日チェックした。積極的に攻めたエラーは責めず、メディアが一部の選手に悪意を向ければ反論し、選手が頑張る姿から自身も学び、負ければ自分の責任にして勝てば選手やコーチを褒める。そういったコメントをチェックするたびに
「俺はこういう上司に仕えたいんだけどな。。。」
と妻に愚痴をこぼしていた。そして自分が上司という立場になるなら絶対こうなろうと思えた。

しかし新しかったからこそ、批判も多かった。どう捉えるのかは各々の自由だとは思っているが、一部のファンの心無い批判というかただの悪口や、結果論だけでごちゃごちゃ言う一部のOBには本当に嫌気がさした。大学時代に友人が「野球は見ない。誰かのせいにするだけの解説が嫌い。」「負けた後に犯人探しすることを理解できない。」といっていたのを思い出した。バッティングやピッチングなどプレーのポイントを丁寧に説明してくれる解説は本当に面白いしためになるのに、それをしてくれる解説者がごく一部すぎて、いつしか「どの局で野球中継を見るかは解説者次第」で選ぶようになった。
金本監督時代、こういったことが理由で野球を見なくなった。しかしそれでも矢野タイガースからは目が離せなかった。心から応援できた。多分、刺激を受けたり学ぶのが好きな自分にとって、矢野タイガースの姿からは学ぶことが多かったんだと思う。矢野監督は「自分たちのプレーを見て、よし、明日もがんばろう、自分も一歩前に出てみようと思ってもらいたい」と言っていたが、自分は本当にそう思えた。だからこそ報われてほしかったけど、今、最高の結果に落ち着くということだけが「報われる」ということでも無いんだとも思う。

自分は「矢野タイガースのファン」だったのだろうと今では思っている。だから他のファンの方のように「来年に期待」「岡田新監督頼むで」という思いがあんまり無い。むしろ来年阪神タイガースファンでいるかどうかわからないと思っている。
「来年の新監督は岡田さんで内定」という報道が出たとき、何かがっかりした。それがなぜなのかは深く考えていないのでわからないが、岡田さんが好きとか嫌いとかそういうことではない。采配や育成がどうとかいう話ではない。何か、結局、そうなんか。。。みたいな感じ。
それでもこの4年間矢野タイガースから感じたこと、受けた刺激、学んだことは忘れたくないと思っている。

矢野監督、本当に4年間お疲れ様でした。矢野タイガース、4年間本当にありがとうございました。たのしかった思い出でいっぱいです。この4年間で受けた刺激や学んだことを軸に、今後自分もたのしんでいきたいと思います。
さぁ、明日から何に超積極的に挑戦しよかな。

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kigg
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