自分のために生きてください
2024.07.21 高校 卒業文集
中学時代、私と同じく自傷行為をしていた少女は、消えてしまいそうなくらい儚かった。その少女は、いつも私の心配ばかりしていた。自分も辛いはずなのに。私の話を聞いて儚い少女に似合う綺麗な涙を流していた。
「いっそ二人で死んでしまおうか。」
そう話をしたこともあった。「ああ、この世の中って、こんなに優しい子が、上手く生きられない世界なのだな。」と思った。少し早く人間の弱さや脆さに気付いてしまった賢い子なのだろう。きっとあなたもそうだろう。
私とその少女は、「生きろ。」と言われた。自傷行為は止められた。全く言葉は響かなかった。むしろ苦しんだ。二人で死んでやろうかな、と思っていたし、何度か二人で行動を起こして怒られていた。生きるのが嫌だった。何もかもが上手くいかなかった。今思うと、私は、「他人のため」に生きていた。だから、「自分のため」に生きてはいなかった。
今までに出会った人々は、優しくて、印象的なその少女に似ているものを感じた。優しくて、儚かった。人間の弱さや脆さを悟ったような瞳をしていた。いつも私のことを考えてくれる男の子は、彼の心と気持ちを殺し、
他人への優しさで心が作られているようだった。
私は、「生きていて良かった。」と思っていない。この世の中のことも大嫌いだ。だから、死にたいと思っている人に、生きていて欲しいと思うが、「生きろ。」とは言えない。私が一番言われて苦しんだ言葉だから。
だが、いつか自分だけの生き方を見つけられたらいいと思う。私はまだ見つけられていない。誰に何を言われたって、あなたの人生なのだから。
「他人のため」に生きるのではなく、「自分のため」に生きてください。
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