急須と祖母 【うつわ紀行|#1】
祖母は、コロナ禍の夏、この世を去った。
私は、母方の祖母に、少し憧れがある。
川越の米屋の生まれで、当時には珍しく女学校をちゃんと出た人だった。
狭山の地主でお茶屋を営む祖父のもとに嫁いで、私が幼い頃まで茶畑を育て、お茶屋を切り盛りしていた。
創作が好きで、和紙や折り紙を買って、ちぎり絵を作っていた。お味噌汁を食べた時に出たあさりの貝殻を丁寧に洗って、鈴を挟んで、ちりめんで根付けをよく作ってくれた。
最後まで、頭がしゃんとしてる人だった。
もう長くないと言われてお見舞いに行