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好きを仕事に

今回は現場の保育スタッフさんに、学童に関する今までの人生についてインタビューしてみました!

名前は「あっきー」さん。

日々熱心に取り組む姿勢の原点は、どこにあるのでしょうか?

クリスマスイベント時のあっきーさん。良い笑顔!
『子どもたちがくれたもの -キッズコーチとして-』
 
私は小学生の高学年くらいから小さい子どもたちと遊ぶことが好きだった。

時間がある時に簡単なゲームや遊びを考えて、近所の子どもたちを呼んで自宅の庭で遊ぶことが楽しく、その楽しい姿や喜んでくれる顔を見ながら、子どもたちから「お兄ちゃんありがとう!」と言ってくれたことが嬉しかった。

すると、ある夏休みの夜にその子どもたちのお母さんから、「あっくん、うちの子どもが一緒に花火しようって言ってるけどどう?」と誘ってくれた。
それが何度かあり、ここから数年毎年のように自宅で「お祭り縁日」のようなものが近所の夏のミニ行事にもなっていったのである。

それから数年が経ち、高校3年生の夏に自分の進路のことを考えるようになり、「子どもたちと関わっていく仕事がしたい」ということがまず先に思い浮かんだ。
児童福祉系の大学に進むことを決め、入学したが「ピアノ」の壁にぶつかり、資格取得を断念したまま、営業職の道へと進むこととなった。

人と会話することが好きだったので、色々と躓いてしまい退職したものの、次に営業職として勤務した広告代理店の仕事が楽しく、役職や褒賞を頂くなど、順風満帆の営業ライフであった。

ある日、プライベートで東京に旅行した時に「1つの学童案内」の中吊り広告を見た。
そこには「スタッフが子どもたちとうつ伏せで寝ながら並ぶ写真」、「スタッフが公園で
ボール遊びをする写真」が映っていた。
その時は楽しそうとくらいにしか思えなかったのでどこの学童か、どこの会社のものなのか、特に気にはならなかった。

ところが数日経ってもなぜかその写真が頭の中に残っていた。
ますます気になってきた私は、数週間後に再度その電車を見に行った。

約20年前にやっていた出来事とこれから先やっていきたいことがリンクした瞬間だった。

「学童保育の仕事に就くためにはどうすれば良いか?」など色々と調べてみたところ、保育士資格があればその仕事に就きやすくなることを知り、順調だった会社を退職し、専門学校に入学した。
その専門学校はかなりのレポート課題があり、かつ実習の日誌なども重なったりとすごくハードな学校生活でした。
そこに苦手のピアノ実習が入るので、卒業を考えるととてつもない不安に陥る日々でした。
苦手なピアノも深夜に及ぶ練習を経て、少しずつ弾けるようになり、やはり目標に対する気持ちの強さは粘り強さも併せ持つのだと思いました。
何とかピアノの演習もクリアし、必要単位を全て取得したことで保育への扉を開くことが出来ました。

しかし最初の就職先は保育園で、そこでは全く学んだことを活かすことが出来ず、上手くいかないことが多かったです。
一生懸命やっている時はその仕事のことしか考えていないのですが、どうしても学童保育のことが頭から離れていかないのです。
数か月悩み抜いた自分は「学童保育の仕事=キッズコーチ」一本で、働いていく事に決めました。

その後、東京で見たポスターの学童をモデルに事業開始をしたという学童を見つけました。

私はすぐにその会社に電話をし、「応募書類を送ってください」という話の段階ながらも、そこの会社の方と話せたことが凄く嬉しくなり、その数時間後に履歴書を送ったのを今でも覚えています。

数週間後、応募枠が出来たようで、積極的に電話した甲斐もあって、面接試験に行くことが出来ました。
志望動機や自己PRはどこの会社よりも熱意を持って話せたと思います。

数日後採用通知のメールが入ります。
保育業界にきて一番嬉しかった瞬間でしたし、その採用通知は今でもメールで保存しています。

コロナ禍でも実施できた遠足や日々のプログラムはもちろん楽しかったです。
うまくいかない時に悩むことはたくさんありましたが、学校に迎えに行くと子どもたちから「あっきーくーん!」と言いながら帰ってきてくれることが何よりも嬉しくて、疲れや不安も忘れていく瞬間でした。

また他にやりがいに感じていたことはスタッフも子どもたちもみんな「ニックネーム」で呼び合う環境にあったことです。

もちろん苗字と名前のいずれを使っていくかは、人それぞれではありますが、「先生」を使わない環境により、子どもたちと親しみやすく、家庭に近い環境作りを生むと思います。

私個人の考えにはなりますが学童保育において「ニックネーム」はフラットな環境作り、親しみなどの観点からとても大切なものだと
改めて学びました。
子どもたちから「あっきー」と呼んでもらえることが宝物であり、やりがいと幸せを感じていました。

ところがある日「2021年1月学童閉店します」のメールが来ました。

自分の目を疑い、手が震えてしまい、彼女と別れた時のような寂しさになりました。
子どもたちの前で笑顔を消すことは出来ないものの、メールから数日はボーっとする時間が多かったかもしれません…。
やり続けたかったことが出来なくなりこの先何が出来るのか…。
他の学童でやっていける自信や気持ちは0に近かったです。
少しずつ気持ちを切り替えていきながらも、ここにいる時間の終わりを迎えること、子どもたち、スタッフが呼んでくれるニックネームを失うことが怖かったのだと思います。
そこから先は仕事をつないでいくくらいの気持ちでしか働けず、バス送迎や保育補助で2021年の夏まで生活をつないできました。

ふと思ったことがあります。 

こんなに悩みながら言うのも間違いかもしれませんが、学童が閉店して寂しい思いをしたのは、子どもたちも一緒であることに気付かなかったことは、自分自身は未熟で、子どもの気持ちが理解出来ていないと思いました。
子どもたちが楽しく遊び、学校帰りに楽しみに来てくれた場所が無くなってしまった子どもたちはスタッフより、もっと辛い思いをしていただろうということに気付きました。
少し落ち着いてきた頃、そろそろ小学生の子どもたちと遊びたい気持ちが徐々に復活してきました。

ある日茨木市内を散歩している時、家のベランダに掛けられた学童の看板を見ました。
「一軒家に学童?」となりましたが、すぐにHP検索して調べてみると、そこは民間学童でした。

ここが今私の生活の一部でもある「Kids Lab.」です。

そのときの就活では、10社ほど面接や施設見学をしてきましたが、ここは一般的な一軒家の部屋を学童保育の教室にしていて、だからこそアットホームな雰囲気もあり、スタッフ
も若くて、第2第3の家庭がここにはあるような雰囲気に感じました。

スタッフとの会話(質問)時間もあり、私は一番気になっていたスタッフネームについて聞きました。
すると「特に決まってなくて、何でもいいですが何て呼ばれたいですか?」と返され「あっきーでお願いします」と素直に言えずに、ただ下の名前で呼んで欲しいと小声で言ったのを覚えています。
子どもとの関わりを持てる時間も頂き、その日に居た子は私に色々と遊び方を教えてくれたり、自分から話しかけてくれたり、久しぶりの学童で緊張していた私を和ませてくれました。
また遊びたいなと思いながら、少し未来が明るくなったかなと思いながら家に帰りました。

悩んだ結果、「Kids Lab.」でお世話になろうと決めました。

これから店舗拡大、アットホームな雰囲気、子どもとしっかり関われそう、スタッフの話し方が優しいといった点が良かったところです。

7月に入社してからこれまでも、色々辛かったことや悩んだことがあり、スタッフ同士の話し合いの中で、私自身も言い過ぎたところが多々ありました。

そして、ここの学童は各スタッフの多様性を認め合える職場だと思っています。

少しずつ環境やメンバーに慣れてきたのもありますが、入社時と比べてここのスタッフは明るく元気に過ごし、楽しい環境が出来てきたと思いました。
子どもたちとスタッフでたくさん遊んだり喋ったり姿も増えてきていて、Kids Lab.は1日1日大きな輪になりつつあります。

私の目標としまして、明るく躍動感のある元気な学童にしていきたいです。

そして子どもたちと一緒に泣いて笑って、また子どもたちから学ぶことはたくさんあるので、いろんなことを一緒に乗り越えつつ、子どもたちと成長していきたいと思います。

その為にはスタッフが「3つの愛=困った時は支え愛、助け愛、良いところは認め愛」の気持ちを持っていくことが大切だと思っています。

またなかなか言えませんでしたが、凄く感謝していることがあります。

ここに来られたことで「あっきー」という名前がこの学童の世界に帰ってきました。
子どもたちやスタッフの仲間からそう言ってもらえることで、やりがいも感じていて、きっと、これからもそうやってみんなに支えられながら、次々と現れるであろう山や壁も乗り越えていけると思います。

これは私の考えでありますが、学童保育でのスタッフは子どもたちへ元気に「おかえり!」と声をかける親のようであり、お兄さんお姉さんのような存在であり、教育者でないと思っているので、正直「先生」という言葉が好きではでないです。

そして、自分は「先生」という意識で子どもたちと関わったことは一度もありません。
だからこそ、子どもたちが安心に過ごしていける環境作りの1つとして、ニックネームは必要なものだと考えています。

ニックネームは学童の世界で見つけた大切な宝物です。

この宝物はここで出会った子どもたちやスタッフのおかげでもう一度見つけることが出来ました。

本当にありがとうございます!

みなさんにとっての宝物をKids Lab.で一緒に見つけていきましょう!!
地域イベントでは子どもたちと一緒にお店を回りました!

あっきーさんは学童保育というものに本当に真っ直ぐ向かっていく姿勢が素晴らしい方だという印象があります。

人それぞれの考え方に時には頭を使うことになろうとも、適当にやり過ごすことはない方だと信頼しています。

スタッフみなさんに個性があり、長所や短所がありますが、きっとそんな一人ひとりの気持ちを大切にしながら学童のあり方について悩み続けてくれるんだろうなと感じています。

それは決してマイナスなことではなく、今後どうすれば更に良くなるかというポジティブな意味合いの悩みです。

学童を運営するのは経営陣だけではありません。

あっきーさんのように前に突き進む方がいると、見えていなかった世界も広がっていくんだろうなと思います。


まだ歴の浅いKids Lab.ですが、だからこそもっともっと前へ前へ突き進んでいけたらと思います!


あっきーさん、インタビューありがとうございました!

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