見出し画像

ラダック⑪ ラマユル編 -vol.4-

谷底に降り切って、渓谷の中を永遠と歩いていく。

谷底は続く

3人とも無言で淡々と歩くけれど、そのミニマル感にちょっと気持ち良さを感じる。
個々の距離はある程度離れていたし、自分の歩く足音以外の音はなし。
まるで瞑想をしているようだった。

渓谷を抜けて、街に降りた時は3人で手を挙げて喜んだ。そこから、ワンラまでは、もうひと歩き。

ゴンパは見えてきた!

インダス川沿いをしばらく歩くとワンラのゴンパが遠くからも視界に入ってきて、いよいよワンラ到着。3人とも、お腹ぺこぺこで、レストランを探すけれど全くそんな場所は見えてこない。
村人に聞いて、それらしきところに入ってみるけど、ジェスチャーでもいまいち会話が通じない。
宿みたいなところに案内されて、そこでやっとインスタントラーメンのグタグタ煮みたいなのを出される。3人でひとつの鍋のドロドロラーメンを分ける。食べ終わって、清算のときも全くいくらかの交渉ができない。しょうがないので、ギャノットが札を数枚出して、『これでOK?』みたいな感じで交渉をする。でも、宿のおばさんはあまりすっきりしない様子。『3人で150rs出せば充分だよね』と話して、それ以上は出さずにその場を終わらせる。

ギャノットは、ちょっと体調が優れないということで、ゴンパには、わたしとギャラードで行くことにした。ゴンパまでもかなりの登りだったけど、もう目的地はすぐそこにあるので、意外と足は動く。
ゴンパに着いたけど、誰もいない。ここまで来て、本堂に入れないなんて...と僧房をひとつひとつノックして廻る。けど、反応なし。まわりを見て時間をつぶし、再度挑戦したら誰か戻ってきてたので、鍵を開けてもらって、本堂に入る。中には、顔が5連の珍しい仏像が。

顔が五連の仏像

上から2番目にやっぱり青い仏。このお堂も1200年前ぐらいの歴史を持つらしい。
ゴンパの造りも歴史を感じたし、景色も申し分なかった。


下山して川沿いに座っていると、ロバを連れた女性たち2人に手招きされる。
ロバに載せた荷物がずれて落ちそうになっていた。
それを一緒に引き上げて欲しいらしい。畑で採れた野菜や芋類なんだけど、その重さと言ったら!!
ロバちゃんはよく潰れないで...えらい。3人でロバに同情した。

さぁ、そろそろヒッチハイクを遂行する時間。...でも、車が来ない。
やっぱり来ないんだろうか。
とりあえず、ラマユルの方向に歩き始める。
歩いていると、1台やってきた! 親指を立てるも、この辺の方々らしく遠くまでは行かないみたいでダメ。それから、数台挑戦してみたけど、すべてローカルエリアしか廻らないとのことで、乗れなかった...。
30分ぐらい歩いたところで、また再挑戦。親指立てるも、止まるのか止まらないのか...通り過ぎて100mぐらいしたところで、止まった!!! 急いで走っていき、ラマユルまで行きたいことを言ってみる。途中の分かれ道までで良ければ乗せてくれるとのことで、お願いすることに。
いや~~良かった、良かった。大きな通りで降ろしてもらい、上を見ると、トラックが宙釣りになっている。ひえ~~~!あの運転手は一生分の幸運を使い果たしたね...と冷や汗の出るような画だった。

そこから、さらにラマユルまでのヒッチを敢行しなければならない。
と思った矢先、デコトラ登場。明らかにパキスタン系の感じ。
音楽が太鼓系ですんごい音漏れしてるような、ちょっと派手なヤツ。
すぐに停まってくれて、ラマユルまで3人というと、すぐにOKが!
すでに何人か乗っていたけど、運転席の広いこと、広いこと。わたしがスピーカーの上に荷物を置いていたら、そこだけは置かないように注意を受ける。スンマセン...(;^_^A
ハンドルがすっごい大きくて、カーブも多いので廻す廻す~~!揺れる揺れる~~!ハンドル裁きに自信を持っているらしく、すっげーだろーっみたいなドヤ顔をするトラックの兄ちゃん。なかなか良いキャラのお方でした。こういう時は、ギャラードがいい感じでお兄ちゃんと世間話をしてくれるので、わたしたちは揺れまくりのドライブを堪能させてもらいました。

6時前には宿に戻ることができ、一同、『すごい、パーフェクトだ!!』と大満足。
本当に一時はどうなるかと思いましたが、無事に戻って来れて良かった、良かった。

ラダックのトレッキングに行く際には、ラダッキの言う時間のダブルタイムで考えるべきです。結局行きだけで6時間かかりました。
くわばら~くわばら~

夕食のときに、お父さんに行きで6時間かかったよ~と言うと、『そりゃ、あんたたち遅すぎる!』と反省もなく、逆に怒られてしまい...なんとも豪快なお父さんです。

ラダッキ強し。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?