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第15回 マンション防災を考えよう

管理組合の防災活動1(管理組合と防災組織)

皆様こんにちは。マンション防災研究所の城戸です。
このマンション防災を考えよう、今回からはマンションの管理運営主体である管理組合における防災活動を考えていきます。
管理組合というのは、分譲マンションの部屋を購入した方など、マンションの資産を区分して所有権を持つ人たち(区分所有者)によって構成される組織で、マンションの管理運営主体です。

さて、そのマンションの中で防災活動を担当するのは誰でしょうか。当然ながら管理運営主体である管理組合が防災活動を担うと思われるのですが、意外に他の形式で活動をしているところが多数あります。
私が見てきた多くのマンションでは、大きく以下の3つに分けられます。

<1>   管理組合理事会が中心となる
管理組合全体の中で年度ごとにマンションの管理運営の中心となる理事会が区分所有者の中から結成されますが、その理事会で防災活動を担うというものです。
小規模~中規模のマンションでこの形でされているところが多いです。というのも、マンションの規模がさほど大きくはない場合、運営管理に係る作業量が多少少ないことや、マンション居住者がそもそも大人数にはならないので、別に組織を結成せずに理事会が行った方が効率的でもあることなどが理由として挙げられます。

<2>   管理組合理事会の下部組織としての防災委員会が中心となる
主に中規模~大規模なマンションでは、管理組合理事会の下部組織の委員会として防災活動を行う防災委員会を結成しているところが多くあります。
理事会ではマンションの管理運営に関する検討、決済事項が多くあるので、防災に関しては専門部署を作ろうという考え方です。メンバーも専任者で任期も交代はしない、もしくは数年単位での継続を前提とした場合があります。これは、防災活動は組織の結成からマニュアルの作成、実践、訓練など多岐に渡る項目を、数年度をかけて行っていく場合も多く、単年度の作業だけでは足りない場合がほとんどで、さらにある程度の専門知識も必要になることから、このような形になっているところが多いようです。
大規模修繕の委員会が同様に数年をかけて実行されているのと同じようなものと考えてよいと思います。

<3>   自治会が中心となる
マンションの管理組合とは別に自治会が結成されているマンションも多くあります。ちいkの自治会に所属している場合もありますが、大規模マンションなどではマンション居住者だけで自治会が結成されていて、お祭りなどコミュニティ活動を主に担っている場合があります。その場合に、防災活動も同時に行うというのがこのケースです。
ちなみに、一般的に自治会という組織は年会費形式で運営されている場合がほとんどで、予算も多くあるわけではありません。防災活動には備蓄資機材の購入などある程度の予算がかかることもあり、活動は自治会が主体となって行うが、その予算は管理組合費で賄うという場合が多くあります。
自治会担当者が管理組合理事会に参加し、情報共有をしながら活動をすすけていくことで、互いに手伝いながら、活動の一端を担いながら、という構造になっています。互いに良好な関係性が求められますが、特に防災活動というのは居住者の命、資産価値、生活を守るという共通の目的があるため、割とスムーズにいくことが多いようです。

以上が代表的な防災活動を担う組織の種類です。理事会が直接行う場合以外は、活動そのものや予算の面なども併せ、管理組合の規約で定めなければならない項目もありますので、管理会社、マンション管理士などの相談しながら組織を結成するのが良いかと思います。

さて、今回はここまでとします。この組織、組織化についてはまだ内容がありますので、次回も引き続き考えていきたいと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。また次回以降もご覧いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

マンション防災研究所 所長 城戸 学

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