うたとえ2024「煌きへとたたずむ夜」及川恒平

【煌きへとたたずむ夜】

詩・松尾真由美
《森美千代(写真)とのコラボより》

演奏・Paper Land 〜曲、歌・及川恒平 
ベース・幸田実
ウクレレ、ギター、コーラス・本田修二

録音/Studio PILLIQUA '24 7-8
作画/及川恒平

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【煌きへとたたずむ夜】の正しいかたちです。

光りつづける
炎の冷静
外から
内へ
複数から単体へと
受け口は硬く広まり
孤独ではない
一人である
室内の雨滴を待ち
注がれるものの色彩を従順に迎えいれ
いや従っているわけではない
咀嚼するのはこちらのほう
ただ残照のような
きらめきを
与えたい

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松尾真由美さんはピアニストでもあるので、
和楽のひびきがこのかたの詩にもあるのか、興味をそそられている。

西欧的な解釈で、
邦楽の和音をとらえるといびつな結果になるのは、目に見えているが、
先人たちは融和をはかろうと、試行錯誤をくりかえしてきている。

そうして明治以降の音楽教育を背景に、わたしたちの頭の中には、
むりやりペンタサウンドとして形立たされた和楽があったりする。
垂直にきっちりならべたって、クラシック的(西欧音楽的)な意味では、
美しいひびきにはならないのは解っていても、である。

ずいぶん前の話だが、歌舞伎座の演奏家たちと一緒に舞台に立ったおり、
すこしチューニングがよくないのではなかろうかと感じたことがある。
もちろんわたしの大間違いな感想でしかない。
わたしはギターを弾いたのだが、
一音ずつの正しいとされるピッチがそもそも違う。

今回は、ピアニストの書いた言葉にも日本語なのだから、
和が在るだろうと、乱暴なスタートをきったのだ。
結局は作ってみて、しばらく経ってみないと、
どう感じるのか、自分でもよくわからない。

松尾さんの詩に北海道があるのは確かなのだが。
2024-8 記

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