鶴布山珍蔵寺~民話の里の古刹~
山形県南部に位置する南陽市漆山という地域は、罠にかかっていた鶴を助けた若者へ助けられた鶴が人の姿になって恩返しに来るという「鶴の恩返し」伝説がある地域です。
地域には今も「鶴巻田」、「羽付」、「織機川」など、「鶴の恩返し」伝説に由来する地名が残されています。また、鶴の羽で織った織物を寺の宝物としたと伝えられる寺院もあり、それが、今回ご紹介する鶴布山珍蔵寺(かくふざんちんぞうじ)です。
珍蔵寺は、寛正元(1460)年に極堂宗三和尚(輪王寺二世)による開山で、山名の「鶴布」は鶴が恩返しに自らの羽で織った布に、寺名の「珍蔵」は鶴を助けた民話の主人公の名前に由来していると伝わっています。宗派は曹洞宗で、本尊は釈迦如来です。
南陽市に伝わる「鶴の恩返し」については、南陽市ホームページ(クリックで遷移します。)に掲載されています。
駐車場から珍蔵寺参道までは、徒歩5分くらいかかります。
途中、珍蔵寺への道しるべ?がありました。これが唯一の鶴要素でした。
こちらが参道入口です。入口のそばに珍蔵寺の開山縁起などが記載された看板があります。
参道の石段を上っていくと、立派な五輪塔がありました。
珍蔵寺には、置賜三十三観音の第18番札所である新山観音堂があるようです。こちらは後程参拝しました。
こちらが珍蔵寺山門です。
現在の本堂は江戸時代に火災に遭った後、文化4(1807)年に再建されたものです。古刹にふさわしい堂々とした立派な本堂でした。
本堂向かって右手にある庫裏で御朱印をいただきます。見開きの鶴が描かれた御朱印(500円)があるようですが、今回は片面のご本尊の御朱印をいただきました。
珍蔵寺の参拝を終え、観音堂へ向かいます。
観音堂までは5分ほど石段を上っていきます。
神仏習合の名残があります(大好物です)。
立派な仁王門があります。なかにある仁王像もなかなかイケメンでした。
観音堂も堂々とした立派なものでした。
観音堂付近からは、南陽市の市街地を臨めます。
【所在地】山形県南陽市漆山1747-1
【宗派】曹洞宗
【駐車場】あり