怪談No.07 シャットダウン
※今回は寝ぼけているだけだと片付けられるかもしれない話です。それでも聞いていただけるなら幸いです。
怪談No.04 ベランダの友達の中に出てきた
何か
に関する話です。
何かに遭遇した2回目のときの話。
僕が中学3年生の3学期のころ。部活は引退済みで進学先も決まっていたのでだらしない生活をしていた。
友達のほとんどがまだ進学先が決まっていない時期だったので、僕は休日朝から自分の部屋で寝転んで漫画を読んでいた。
ふと部屋のドアを見ると半開きになっていた。元から開いてたのか閉まっていたのかわからない。でもわざわざ起きてドアを閉めるのは面倒くさいから、気にせず漫画を読んでいた。
漫画を読んではいるものの、半開きのドアから母と妹が廊下を右往左往して言い争っているのが見えて気が散っていた。
漫画に集中したいのだが気になってドアの方を見てしまう。
しばらくすると静かになってのでケンカが終わったと思った。しかし一度ドアの方を気にしてしまうと、今度は廊下の足音が気になった。
足音が僕の部屋の前に近づくたびにドアの方を見て、誰が横切ったかを何度も確認していた。
すると妹が横切ったと思ってよく見ると、妹と同じ背丈なだけの全く違う顔と服装の女の子が部屋を横切った。
はじめは妹が友達を家に招いたのだと思って、僕に一言くらい言えよと心の中で愚痴を言いながらドアを閉めようと起きあがろうとした。
すると立ち上がったところで僕の首から下の全神経を切断されたかのように感覚が無くなって、その場で倒れてしまった。
首から下が全く動かせない。そもそも感覚がない。倒れても全く痛みがなかった。
意識は保っていたが、何の前触れもなく身体が動かせないなんて完全におかしいと気づいた。
倒れてから10秒後ほどか、視界が徐々に灰色に変わってきた。また何にも音が聞こえないことにも気づいた。
それと同時にさっき部屋を横切った女の子が半開きのドアに顔だけを出して僕を見ていた。なぜか女の子だけ灰色になっていない。
その女の子は一定の時間間隔で口をパクパクしている。
何か言っていると思うが何にも聞こえない。
だが徐々に聴力が回復してきたのか、風が吹くような音だけが聞こえ始めてそのあと人の声のようなものが聞こえてきた。
しかし耳に集中していたせいか、気づかないうちにドアの隙間にいた女の子が消えていた。
すると耳元で
「3、2、1…」
と女の子声が聞こえた。
驚く暇もない。
「0」
と聞こえた瞬間、意識を失った。
まるでPCやスマホのシャットダウンそのもの。
苦痛はなく、ただ目の前が真っ黒になった。
目が覚めたら夜10時くらいになっていた。
また何かに遭遇したのだと根拠はないが確信した。
何かに対する恐怖がよみがえったこととは別に、貴重な休日を無駄にされた怒りが湧いていた。
まだ何かに関する話があるので、今後もどうぞご期待ください。