怪談No.06 かくれんぼ
小学生2年生のときの話
当時今では考えられないくらい社交的で、公園で初めて会う他校の小学生に声をかけて遊ぶことがよくあった。
ゲームだったりカードゲームや漫画だったり共通の話題がたくさんあったから、初対面でも仲良くなれるツールはたくさんあった。
でも今回する話をきっかけに僕は知らない子供とは遊ばなくなった。そんな話。
その日は土日の休み。朝から近所の公園へ行った。
誰とも約束遊ぶ約束はしていなかったが、普段通り誰かに声を掛けて遊ぼうとした。
公園に着くとベンチでカードゲームをしている同学年くらいの男の子2人に声をかけた。
2人の見た目は坊主頭と茶髪だった。
この2人と僕でカードの話から盛り上がって、お互いの話をしていった。そして2人は隣町の小学校に通っている僕より2学年上の小学生だということが分かった。
仲良くなったので僕とその二人でかくれんぼをすることになった。
じゃんけんで僕が鬼をすることになった。
公園はかなり広いところで砂場や遊具だけでなく、広めの森があるようなところだから隠れる場所はたくさんあった。
かくれんぼがスタートし、まず森の方を探した。
探しはじめてすぐに坊主頭の子が茂みに隠れているのを見つけた。
坊主頭の子も悔しがっていたが、「もうかくれんぼに飽きた。〇〇(茶髪の子)が隠れてるところ知ってるから連れて行くわ!」と言い出した。
まだかくれんぼが始まったばかりなのだが、坊主頭の案内にしたがって公園の公衆トイレへ行った。
坊主頭曰く茶髪はこの公衆トイレの一番奥の個室トイレにいるらしい。
でも僕はもし別の人が個室トイレに入ってるかもしれないから、個室トイレが開くまで待とうと提案した。
すると坊主頭が不機嫌になって声を大きくして「いいから奥のトイレ行けや!」怒り出した。
急に怒り出したことに僕はビビって、走って公衆トイレから飛び出した。
坊主頭が「オイ!」と叫んで追いかけてきた。
すると奥の個室トイレが開く音がした。
すぐに確かめる余裕はなかったが、一呼吸おいて僕は後ろを振り返って。
やはり個室トイレに入っていたのは茶髪だった。
僕が一番ゾッとしたのは茶髪が鎌を持っていたことだった。
逃げる途中石を投げられたりしたが、森の茂みを利用して隠れながら逃げ切り無事帰宅した。
未だに彼らの真意は分からない。
ただ僕を驚かせたかっただけかもしれない。
でも二度とその公園には行きたくなかった。
だがその日家に帰った直後、公園に自転車を置いたままだったことを思い出し、翌日もう一度公園へ行く羽目になった。