【ポケモンSV】ハロー・サンキュー・ツタこんぼう④
前回のあらすじ
オーガポンは飽きていた。百余年続く孤独に。もはや飽きることにも飽きていた。
オーガポンは飢えていた。血湧き肉躍る戦いに。力を比べ合う好敵手に。
そして出会った、蜻蛉を使役する男。男は何度叩き潰そうとも立ち上がった。何度心を折ってもその瞳は光を取り戻した。
オーガポンは男を新たな主と認めた。
男はオーガポンに新しい世界を見せてくれた。小さき仲間。食べたことのない料理。大空からの景色。見たことのない敵。
オーガポンは思う存分ツタこんぼうを振り回した。目に映るものすべてを薙ぎ払った。
そして、誰もいなくなった。
全滅:0回
頼む会長、やつを止めてくれ
俺はとんでもないものをブルベリに持ち込んでしまったのかもしれない。そんな不安を抱えながら、ブルベリーグ4位のネリネさんの元へ向かった。
ネリネさんはあのお姉ちゃんが認めた「すっごいおもしろい女」。しかも生徒会長を務めているらしい。ある意味スグくんとは違った面でブルベリを代表していると言えるだろう。
頼む、あのぽにおちゃんを止めてくれ。
またも50BPを要求された。やっていることはゲートを封鎖するロケット団と変わらないではないか。しかもロケット団と違いバトルで話をつけることもできないから余計にタチが悪い。
苦虫を噛み潰したような顔で50BPを支払うと、奥から会長がお出ましになった。
四天王チャレンジの舞台はキャニオンエリアのとある崖の上。とらとぶタイムアタックというめちゃくちゃおもしろそうなチャレンジをやらせてくれるらしい。
ご存知の通りうちのミライドンは飛べない。ブレワイのリンクくらいなんでもできるが、飛行能力に関しては滑空が限界である。リー○ルトルネードは使えない。
まさかこの女、「飛べるポケモンを持っていないならチャレンジは失敗ネリネェ〜!!」とか言って俺をブルベリーグから脱落させようとしている?まったく腐ってやがるぜこの学園はよぉ!仕方ないパルデア帰ろう!
うちの子に何をしたァ!?
ちゃんと合法のやつなんだろうな?うちの子がやめられねえのはサンドイッチだけでいいから。それ以上はなんか色々アウトやから。
原理はまったく分からないものの、アギャッスさんは謎の草の効力でチャレンジ中だけ飛べるようになった。
アカマツくんの「辛いサンドイッチ作ってね」と比べるとエラくスケールがデカくなったものだ。これも生徒会長の権力の為せる技だろう。
ムッズこれ。
めちゃくちゃジャイロでやりたい。こういう3次元的な動きをスティックでやるのに慣れてなくてミライドンが信じられない方向へ飛んでいく。すっかり忘れていたが俺は本当にゲームが下手だ。
とはいえ、本番ではないからか残り時間には余裕があり、崖に激突しそうになりながらも無事にクリア。もう1回やりてえ…。
「もう1回…」と言いかけたところ、「はい合格、おめでとうございます。じゃあバトルしましょうか」と戦闘開始。
さすが会長、手続きに一切無駄がない。これはもしかするともしかするかもしれない。というか、もしまたぽにーがすべてを破壊してしまったら、今度こそパーティ解散の危機である。
頼む会長、やつを止めてくれ。
普通に負けました。ぽに子続投です。
さすが会長、けっこう余裕で負けたぜ。
倒れかけていた企画が再び立ち上がる音がした。林間編で全滅しすぎたからか「一度全滅してからがポケモンバトルだぜ」というカスみたいなスピリッツが芽生えつつある。
ぽに子と一緒に留学できる喜びを噛み締めつつ、作戦を練り練り練りねして挑んだ運命の第23戦。
まずムックルがおいかぜで味方の素早さを倍にする。エアームドのボディプレスは当然のように1確だがタスキで耐える。
アチャモがダグトリオのじしんをこらえつつ加速ターンを稼ぐ。次のターン、おいかぜ+かそくで素早さが逆転するので、最大火力のきしかいせいでダグトリオを倒すことができた。
ムックルがエアームドをがむしゃらで虫の息にしゴツメダメで退場。アチャモもエアームドのボディプレスで退場。
先鋒のがんばりで相手をほぼ2体倒すことができた。これでも極めて順調な試合展開であり、いかに園児たちで闘うのがシビアかが分かる。
真打ち登場。会長ははがね使いなので、順当に竈の仮面を装備。
ハッサムがオッカのみ(ほのお半減)を持っていたが、4倍が2倍になるだけでありまさに焼石に水。ツタこんぼうで一撃だった。
それはそうと今作のハッサムはグラフィックが本当にかっこいいと思う。
虫の息エアームドはフシギダネがのしかかりでトドメを刺した。
「たま〜にまひになったらいいな☆」という理由でのしかかりを採用したが、今のところまひになったことは一度もない。
ここで会長はエンペルトを召喚。この子がほんっとうにキツい。ハイドロポンプを乱射してくるので迂闊にテラスタルできず(ほのお単タイプになってしまう)、そこそこ硬い上にツタこんぼうが等倍でしか入らないのでさすがのオーガポンでも1発で倒し切れない。
しかし、うちの幼稚園には秘策があった。
めんどくせえヤツぁ眠らせりゃいいんだガッハッハ。
ねむりごなの命中率は脅威の75、なんとあのさいみんじゅつより15も高い(さいみんじゅつがマジでパチンコすぎる)。ある意味フシギダネもまたトンボの意志を継いでいるのかもしれない。
無抵抗のエンペルトをボコり、ついに相手は残り2体になった。
ここで切り札のメタグロスが登場。テラスタルで頭に斧が突き刺さっていく。
一撃である。
タイマンで弱点を突けているオーガポンに怖いものなどない。しかし、アカマツくん戦と決定的に違うのは、ここまでの流れを園児たちが作ったということ。さらに言えば、園児たちの活躍がなければ勝つことはできなかったということ。
こうなったらおもしろいなと思っていた通りの展開になってあたしは満足です本当に。もういいですかパルデアに帰っても。
トリックルームを出したり引っ込めたりしていたランクルスをじごくづきでシバいて勝利。
会長は「おめでとうございます。じゃあいつものいきましょうか」と写真を撮らせてくれた。
4分の2天王を倒したわけだが、ここから先はさらに厳しくなることが予想される。
残り2人のランクが高いこともあるが、お面を持ち替えることで弱点を突くことができたアカマツくん・会長と違い、タロパイ・ツバっさんはオーガポンがツタこんぼうで弱点を突けない。より一層園児たちの役割が増えると思うが、正直ちょっぴり無理な気がしている。
どう言い訳して園児たちを全員進化させようか考えていると、ブラックスグくんがグリッと登場。
あれ…これ「やっぱお前…今死んどくか」って消されるやつでは?
お願い寝て。
途中ちょっと心配なスマイルはあったけど、ちゃんと俺の知ってるスグくんや。
ハッピーエンドじゃない物語も好きやけど、こんなに目の下クマできるまでがんばってるわけやし、おじさんこの子には幸せになって欲しいなぁ。
To be continued...
次回
オマケ
今回の戦後。当然のようにギリギリ。
今さらながら「たいあたり」といくつかの物理技しか覚えないダンバルをパーティに組み込んだのはアホすぎた。同じエスパータイプでも、たとえばユニランとかならトリルやらなんやらエスパーらしい補助技が使えたというのに。
でもダンバル好きなんよなぁ…。いつか良い仕事させてあげたいな。