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『書くことについて』 から、スティーヴン・キングのエニアタイプを探る

こんにちは、エエメエです!(^^)!

noteでのアウトプットを張り合いにして、過去に
観た映画の掘り起こしをしています。

その中の一つに「ミザリー」という映画がありま
す。
原作はスティーヴン・キングで、 “ひとコワ”
ホラー。

30年くらい前にテレビで上映され、ハラハラす
るストーリーとキャシー・ベイツの怪演に一気に
魅せられました。
録画していたのでその後、何度も見返していたの
を覚えています。

このたび、充分に熟成された記憶と共に、原作と
向き合うべく、本を入手し読み始めていました。

そんな折り立ち寄った本屋で、スティーヴン・キ
ングの新作と遭遇。
なんと今年キングは作家デビュー50周年という
ことで、日本でも続々と作品刊行の予定だとか。

ちょっとしたシンクロニシティ。
よし、スティーヴン・キングについて深堀りしよ
う!

ということで読みかけの「ミザリー」を一旦横に
置き、彼の著書『書くことについて』という自伝
兼 文章の手引き書
を片手に、 エニアグラムのタイプを
考察してみようと思います。


※ここからは、エニアグラムのタイプを探るため
の、象徴的な出来事のみをピックアップしていきま
す。
本著は、キング独特のユーモアに溢れ、知的であり
ながら読みやすく、目からいっぱいウロコが剥がれ
落ちる名著です。(noterにもオススメ!)
スティーブン・キングに興味のある人、または書く
ことについて巨匠から学びたい人は、本を読まれる
ことをお勧めします。


☆スティーヴン・キングは、タイプは5!

◎アルコール中毒、ドラッグ中毒だったキング

キングは大学を卒業してすぐの1971年に結婚
しました。
相手は、図書館のアルバイトで知り合った一個下
のタビー。
結婚して3年の間に子供が2人ができました。

彼は作家を目指しながら、生活費を稼ぐためにラ
ンドリーで働いたり、高校の英語教師をしたりし
ていましたが、貧しく厳しい日々が続いていまし
た。

ある日妻タビーによってゴミ箱から「キャリー」
の原稿が救い出され、本が出版されることになります。
1974年春でした。
その後映画化されヒットし、キングの売れっ子作
家としての日々が始まるのです。
ちょうどその頃最愛の母親を癌で亡くしています。

彼は結婚後、 “たしなみ”と自分を言いくるめ、過
度に酒を飲んでいましたが、そのことに目をそら
し続けていました。

1985年には、アルコールに加えてドラッグに
も溺れていました。
その間も書き続けていたし、作品の質も維持して
いましたが、ドラッグなしで生きるすべはとうに
忘れていました。

キングが一番恐れていたのは、書けなくなること
でした。
別の生き方をすることなど考えられなか
ったのです。

外部に助けを求めるわけにはいかない、とも思い
込んでいました。亡くなった母がそうだったよう
に。
そしてますますミラーライトのロング缶と、ドラ
ッグの沼にハマっていったのでした。

◎エニアタイプは、一番恐れているものにヒントがある


キングが1番恐れていたのは、書けなくなること。

彼にとって “書けなくなること” とは何を意味する
のでしょうか。

ここで、キングの子ども時代に遡りたいと思いま
す。

◎父親がいなくなった幼少期

父親は、ある日突然、母親と4歳の兄、2歳のス
ティーヴンと借金を残して失踪してしまいました。

シングルマザーになった母親は幼い子どもたちを
抱えて働きましたが、何度も転居を繰り返します。
子どもたちは、親戚に預けられることもありまし
た。

雇ったベビーシッターも何度も変わったそうです。
以下は、その中の一人の印象的なベビーシッター
との思い出。

ビューラはよくオナラをした。音は大きくて、臭いもすごい。私をよくソファーに押し倒しては、大きな尻をウールのスカートごしに顔の前に突き出し、一発ぶちかますと、いかにも愉快そうに“ドッカーン”と叫んだ。私はメタンガスに直撃され、目の前が真っ暗になり、息が詰まりそうになった。
それでも結局は笑っていた。ひどい目にあっているのに、なぜかおかしくてならないのだ。

「書くことについて」 “履歴” より

思わず笑ってしまうエピソードですが、実はここ
にもタイプ5っぽさが現れています。
自分がひどい目にあっているときでも、客観的な
視点で事象を見てブラックなジョークにしてしま
う。
才能である代わりに、感情から遠ざかる手段とも
言えます。

◎病気がちだった小学校時代

小学校に入るころには、麻疹(はしか)、連鎖球
菌性咽頭炎、耳に膿が溜まる病気、扁桃腺炎など
に悩まされていました。
最初の年は、授業のある9カ月の大半をベッドで
過ごしていたほどだったそうです。

そのあいだに、6トン分のコミックを読み、トム・スウィフトやデイヴ・ドーソン( “いつものプロペラをぶんまわしている” 第二次世界大戦中の勇敢な飛行機乗りのシリーズ)に惑溺(わくでき)し、ジャック・ロンドンの動物ものに戦慄した。そして、いつのころからか自分でも書くようになった。

「書くことについて」 “履歴” より


子どものスティーヴンが初めて書いた小説を読ん
だ母親は、「これなら本にできる」と言いました。

今日にいたるまで、これほど私を幸せにしてくれ
た言葉はない
、と彼は回想します。

◎「書けなくなること」の本当の意味は、


ここで改めて、キングが一番恐れていた“書けな
くなること” とは何を意味するのかを考えてみます。

父親がいなくなったことで、辛く寂しい思いをし、
病気がちだった少年が初めて書いた小説を、
母が認めてくれた。

その時彼は、ここが自分の居場所だ、と思ったは
ずです。

つまり彼にとって、書けなくなることは、イコール
自分の居場所がなくなること、
なのです。

勿論それは、頭の中だけで起こっていることにすぎ
ませんが。

まさにエニアタイプ5の恐れとも合致します。
タイプ5は、適所を見つけることについて不安を
持っています。

彼らの根源的恐れは、
「自分が無力で非力で無能ではないか」ということ。

キングは不安と向き合わなくて済むように、タイプ7のネガティブな面に向かってしまい、アルコールとドラッグに溺れてしまったと推察できます。

タイプ5は、ストレス下でタイプ7
ネガティブな側面に向かい、リラック
スした状態の時はタイプ8
のポジティ
ブな側面に向かう。

◎妻、タビーとの出会い

大学時代、図書館のアルバイトを通して知り合い、
詩作のワークショップで恋に落ちたのが妻のタビ
ーでした。

スティーヴンとタビーを今でも何よりも強く結び
つけているのは、文章であり、言語であり、ふた
りの人生の軌跡
である、と彼は言います。

確かに学生時代にタビーが作った詩には、人を
惹きつける魅力があると、ド素人の私も思いまし
た。
この詩を書く女性だからこそ、後の過酷な結婚生
活でもスティーヴンの才能を信じ、支え続けるこ
とができたのだと思います。

彼女だからこそ、夫がゴミ箱に捨てた『キャリー』
の原稿に可能性を見出し、スティーブン・キングを
世に送り出す役割を果たすことができたのでしょう。

アウグスティヌスのための穏やかな頌歌(しょうか)
瘦せ細った熊は冬に目を覚まされる
蝗(いなご)の寝言のなかの笑い声によって
蜂の夢うつつの羽音によって
砂漠の砂の蜜の匂いによって
風はそれを子宮に運ぶ 遠くの丘にも
杉の木の家にも運ぶ

熊はたしかな約束を聞いた
いくつかの言葉は食用になる それは
銀の皿に盛られた雪よりも
金の鉢にあふれる氷よりも
滋養に富んでいる
愛する者の口から出た氷のかけらが
つねにこれより優れているとはかぎらない 砂漠の夢が
つねに蜃気楼とはかぎらない
起き出した熊が口ずさむ穏やかな頌歌は
長い周期で町を征服する砂細工 熊の礼賛は
海へ向かって吹く風をそそのかす
狡猾な網にかかった魚は
冷たく匂う雪のなかで熊の歌を聞く

「書くことについて」より、タビーの詩 

◎アルコール、ドラッグに溺れボロボロだったスティーヴン・キングを救ったのは・・・


もちろん妻のタビーでした。

まずは書斎にあった彼のドラッグバッグの中身を
絨毯にぶちまけ、リハビリを受けるか、家を出て
行くか、選択を迫りました。

みんなあなたを愛している、あなたがみずから
の命を縮めるのを見たくない」と。

二週間の猶予の後、キングは決断しました。

決断を促したのは『ミザリー』の狂った看護婦アニー・ウィルクスだった。彼女は私のコカインであり、私のアルコールだった。飼い殺しになるのはまっぴらだ...タビーといっしょに暮らし、子どもたちの成長を見守っていくことができるのなら、書くのをやめてもいい。そのときはそのときだ。

「書くことについて」 “履歴” より

その後期間は分かりませんが、リハビリ施設へ行
き、無事に家族の元へ帰ってきたそうです。

そして周知の事実ですが、書けなくなるどころか、
その後も精力的に書き続け、数々のヒット作を生み
出しています。

タイプ5が苦境から立ち直るには、得意の“頭で
思考する”から離れて、〝身体(肚)と繋がる”
こと
が大切です。
(スポーツや、定期的に参加する活動など。地に
足をつけて実生活を送ることも。)

タイプ5,6,7は、頭で思考することが中心。
タイプ5は特に身体(肚)と繋がることを意識す
る必要あり。

◎タイプ5の強みを生かした本でもある『書くことについて』


タイプ5が世界に提供できるおもな才能(ギフト)には、とてつもない洞察と理解が含まれており、何らかの専門分野が相まっています。

健全なタイプ5は、さまざまな見方を受け入れることができます。
タイプ5は、並外れて知覚が鋭く、周囲の環境に敏感で、ほかの人が見過ごしがちな微妙な変化や相違を感知します。
タイプ5は、自分が発見したことを人と分かち合うことを楽しみます。
また往々にして、人生上の矛盾について観察したことを一風変わったユーモア感覚で伝えます。
ユーモアは、多くの場合、相手をあまり脅かすことなく考えを伝える優れた方法です。

「エニアグラム 実践編」リソ&ハドソン著 より

まさに!

誰もが認めるホラー小説の巨匠、スティーヴン・
キングが書いた、
ブラックユーモアたっぷりの文章作りのルールブック、 
『書くことについて』

どんな形にせよ文章を書く人には、得られるものが
あると思います。
(最後本の宣伝?w いいえ、心の底からの気持です。)

最後までお読み頂きありがとうございました(^^)/

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