あてなるもの
空色も風もすっかり秋めいて
さすがにクマゼミはいなくなりましたが
ミンミンゼミはまだ鳴いております。
まだまだ暑さが続きそうなので
恋するかき氷のお話を・・
去年の初かき氷は
6月末に水無月と一緒にいただいた
「一乗下がり松」かき氷でしたの。
松の実が散らされて抹茶味の
シンプルなものでしたが
さすがに京都・・と思いましたわ。
今年は奈良の和菓子屋さんで
ほうじ茶かき氷をいただいたのが
6月初めだから
私の解禁期は早まっております(笑)
日本のかき氷って
美しいうえに美味しくて最強ですよね。
最近は進化系?とかって
映えるスイーツのかき氷版も増えてまいりましたが
私はやはり宇治抹茶だとか
すっきり定番派ですよ。
なんていいながら
「奈良かき氷ガイド」を見ながら入ったお店で
あまりの種類の豊富さに
つい魔がさして新作「ピスタチオラズベリー」味をいただいちゃいました。
美味しかったのですけど
やっぱりご一緒した方が食べていた
「黒蜜きなこプリン」にしとけば良かったかな・・なんて。
酷暑の今年は大人気でしょうね。
「奈良のかき氷ガイド」は
今年で発行10年目で、掲載店も51もあるんです。
素敵なかき氷に出会いますようにって(笑)
その中で紹介していた
市内の「奈良氷室神社」にもお参りしておきました。
そのあとすぐに
削り氷にあまづら入れて、
あたらしき金マリに入れたる
って「枕草子」の中で
あてなるもののひとつとして連ねている
平安時代のかき氷のことを知りました。
氷の神様・・ありがとう
冷蔵庫のない時代
氷室に収めていた氷を切り出して使い
「あまづら」という甘味料も貴重なものだったでしょうから
高貴な身分の方しかいただけいただけない
希少で極上のぜいたく品だったことでしょう。
そしてこの味を再現しようと
これまでもいろんな方が試みてきたのですね。
私も先日、
シェアハウスで優れもののかき氷器をお借りしまして
その甘味を再現した「甘葛シロップ」を使って
このあてなるもの、
こっそりいただいてみました(笑)
甘葛シロップはメープルシロップをやや薄めたような色合いで
味も自然ですっきりした甘さでございました。
人工甘味料をはじめあらゆる甘味がおしよせる現代の環境の中で
色もつかず、味もほのかで奥ゆかしいので
濃くてはっきりした主張の強い味に負けてしまい
白蜜氷といわれてしまってもわからないと思います。
されどSNS映え狙いで
さまざまな変化をつけて味を加えていくスイーツ系かき氷ではなく
あえてシンプルにいただく古典派党ぜいたく。
あてなるもの
おかげさまでこの初秋の忘れられない味となりました。
清少納言さま、ごちそうさまでございました!