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歌占

歌占をご存じですか?

歌占は平安時代の後半に和歌などをご託宣として用いてくじの形式となったものです。

御託宣は元来特定の人間や巫女などの霊能者に憑依して、彼らの口を通して神意や予言を延べ伝えるものでした。

古くは神功皇后(169~269)に住吉三神が降臨してご託宣を延べ伝えた記録があります。

その後神仏の御託宣は和歌として示されることが多く新古今和歌集の歌に、御託宣の例があります。

和歌は非日常の言語であったため、目に見えぬ神に通じる霊力が宿ると考えられていました。

このように歌に神仏の神意が宿るということが一般的になると霊能者が歌を唱え吉凶を占うこととなり、その後、前もって用意したいくつかの和歌から占うものが、無作為に1首選び、その言葉や意味により吉凶を占ったものが歌占です。

歌占の一つの方法は巫女がもつ弓に神仏が詠んだとされる託宣歌を何枚か結び付け、占う者が選んだ1枚で占いました。

その後、歌占の写本が出来、その写本によると天地人と書かれた九個のサイコロを投げサイコロには3個ずつ1面のみ天、地、人とありそれ以外の面は無(空白)でした。

そのサイコロを振り、「天無、地無、人無」から「天三、地三、人三」までの六十四通りとなり、その番号の歌と吉凶と縁談など今と同様の各項目の運勢が書かれていました。

またくじ筒に一、二、三、四と書かれた番号を3度抽き、六十四通りの組み合わせからその番号の歌で吉凶を占う、天満天神(菅公)の物もありました。

東京都板橋区にあるときわ台天祖神社では弓から選ぶ形の歌占ができます。また個人でもできるように、カードを選ぶ形式の歌占がネットでも購入できるようです。

今現在の神社のおみくじはこうした歌占の系統を受け継いでいるものが多くあります。

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