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【劇場職員日記】 コンテンポラリーダンスってなに?~限りなくゆるくコンテを語る(前編)~

はじめまして、チャトランと申します!私は吉祥寺シアターに勤め始めて2年目の新人職員です!
そんな私には、ある悩みがあります。それは……
 
どうしたらコンテンポラリーダンス(以下コンテ)の面白さを広められるんだ〜💭
 
吉祥寺シアターは演劇ダンスを上演する劇場です。私は演劇の広報をしたい!と思い吉祥寺シアターに入ったのですが、そこで初めてコンテの面白さを知り、色んな人に見て欲しい!と思うようになりました。
 
いきなりですが、あなたは「コンテンポラリーダンス」というとどんなイメージがありますか?ちなみに、コンテと出会う前の私は
・よく分からない、難解
・即興で感覚のままに踊る感じ?
・たまにミュージックビデオで見かけるやつ
……という感じでした。メディアで放映されているものをそのまま受け取ったような感想ですね。ですが実際、多くの人がこのような印象を持たれているかと思います。
しかし、初めて作品を見たときにイメージは変わりました。コンテってすごく面白い!!!そしてとてつもなく懐が広い!!!
 
そこで、このnoteではコンテ初心者の私の視点で、コンテへのハードルの高さを和らげるべく、限りなくゆる~く考えたことなどを綴っていこうと思います。
 
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今回は、コンテを初めて見た時に驚いた3つのことについて書いてみます。
初めて見た作品は、2023年3月に上演された 岩渕貞太 身体地図『ALIEN MIRROR BALLISM』でした。まずここで驚き。
 
驚きその① コンテって「作品」なんだ!
 
自分があまりに初心者すぎて、この時点で驚きでした。今となっては私にとってもあたりまえの事ですが(笑)。演劇や美術のように「鑑賞」の対象になるものなんだ。ミュージックビデオとかで曲に合わせて踊るだけじゃなくて、劇場でそれ単体で上演しているんだ……
 
 
驚きその②「身体!」って面白い!
 
この公演では、岩渕さんが開発した「網状身体」という方法論についてお話ししてから作品が始まります。岩渕さんの身体観は新鮮で、身体に生活する道具として以外の捉え方があることに驚きました。
もちろん「人間ってそんな形になるの!?」という見た目の面白さもあります。ですがそれは、イメージしていたような「奇抜」なものではなく、真摯で綿密な振りのもとに成り立っていました。
 
また、コンテは【自由なダンス】ともいわれていますが、私は違った印象を持っています。「自己の解放」というより、地面を掘削し続けるようなストイックさを感じています。
 
 
驚きその③ これはダンス?
 
舞台上で上演されていた作品は、私の知っているダンスとは違っていました。
 
 曲(の歌詞やリズム)に合わせて踊ることは少ない
 
ダンスというと曲の世界観を表現したり、リズムに合わせて音ハメ的に踊ったりというイメージがあります。でもコンテではそうでないことが多い(全くないとは言えませんが)。
とはいえ、「曲に合わせて踊らなくてもいいよね」と言われると「たしかに~」と納得してしまう。それは極限まで突き詰められた振付・構成や、ダンサーの身体の強度に理由があります。
 
 何かの形を表すことは少ない
 
例えば、「好き!」をダンスにする方法は手でハートを作るだけではない。確かに手でハートを作ってしまえば簡単だけど、そうすることで削ぎ落されてしまう微細な情報があります。それを元の形のまま表現することができるのがコンテの良さだなと思います。
 
 
しかしだからこそ、「よく分からない」ひいては「見方が分からない」というイメージに繋がるのだと思います。
ということで!次回は<コンテンポラリーダンスってどう見るの?>という問いについて書いてみようと思います。
↓後編はこちら

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