愛媛県内子町「そしてこれから 1泊2日の和紙の旅」
先日、愛媛県の内子町に行ってきました。
現在、私は栗山町(北海道)の町づくりに関するお仕事をさせていただいておりますが、今回、全国広報広聴研究大会が内子町で開催され、その繋がりからのご縁で、和紙ツアー「そしてこれから~1泊2日和紙の旅~」に参加させていただきました。
想像以上に得るものが多く、内子町の人たちの温かさにも触れ私自身の活動にもプラスになる素晴らしい経験となったのでこちらでお伝えしたいと思います。
和紙ツアー~そしてこれから~
内子町は古くから和紙を生産してきました。
~歴史をさかのぼると~
そんな歴史ある「和紙の町」内子町を今回、巡ってきました。
1日目【和紙ができるまでを知り、体験する】
内子町のビジターセンターに集合し、レンタサイクルを借り、参加者のみんなと自転車で五十崎地区を目指します。
久しぶり自転車に乗った私は少々緊張しながらもみんなに着いていきます。
内子町は歴史深い建造物が立ち並ぶ町なので、どこを切り取っても絵になる街並み。
「広報誌やインスタで見てた風景だ~!」
今ここにいる自分が信じがたいくらいの嬉しさでした。
川沿いを進み、緑に囲まれた道を抜け、風をきって自転車をこいでいく。それはまさに理想の夏休み(あくまでも今回は出張なのですが)。
初めて来た場所なのに懐かしさを感じてしまう心落ち着くその町は、一瞬で好きになりました。
緑の道を抜け、その先に天神産紙工場がありました。
愛媛県内子町五十崎地区にある大洲和紙「天神産紙工場」です。
歴史ある工場内を見学させていただき、紙漉き体験をさせていただきました。
初めての紙漉き体験は、とっても楽しく、自分で作った和紙にとても愛着が沸きました。和紙の表面は均一にはなりませんでしたが(素人なので笑)
そのボコボコが味となり可愛いかったです。ふわりと肌なじみの良い優しいmy和紙に感動しました。
職人さんってすごいな~!改めて思いました。
和紙についての知識がほぼゼロだった私にとって、和紙を作るまでの工程の大変さを知ることができて、和紙に対するイメージがかなり変わりました。
原材料をそろえるだけでも大変ということで、材料に使われる植物の栽培(農家さんから仕入れます)、長時間煮たり、水にさらしたり、たくさんの時間をかけて大事に作りあげられます。
ひとつひとつ手作業で作られていく和紙は、職人さんたちの想いが込められた作品そのもの。
薄く繊細な和紙の一枚一枚のクオリティ。
私からすると気が遠くなる作業です。
自分で作った一枚の和紙がこんなにも愛おしくて特別なものになるなんて*
想像以上の感動でした。手作りって良いですね。
併設されているショップでは、はぎれや、いわゆるB級品の紙がリーズナブルに購入でき、紙を使った雑貨なども販売されていました。
個性豊かな紙がズラリ。見てるだけでもワクワクしました。
今回このような機会をいただき、初めての紙漉き体験ができて本当に良かったです。
お昼の時間
この日の昼食は「寿し木立」さんでお寿司ランチ。
旅のしおりでは各自のお昼休みなのですが、みんなで一緒にランチすることに。(嬉しかったです!)
この後、私だけ一旦抜けさせていただいて、内子座で開催していた全国広報広聴大会に途中参加。パネリストたちの貴重なお話を聞くことができて有意義な時間でした。
大会に参加した後は、また和紙の旅へ。
凧博物館へ行き、地元産の樹皮を使ったハガキ作りをしました。
「木の皮から紙が生まれる!?」
あまり想像ができなかったですが実際、木(こうぞ)の皮からの紙作りを体験してみたら納得できました。
まずは茹でた木の枝の皮を剥ぎます。
続いて(本来はここでももう一度茹でるのですが、時間がないので、用意されたかわりの皮を)木槌や棍棒で叩いていきます。そうすると、だんだん繊維がモハモハしてきます笑
これがなかなか大変で笑
木槌でトントントントン♪(棍棒もありました!)
しまいには、ムキになってきて
ドンドンドンドン!
柔らかくほぐれたら完了。
終わった頃には、腕がとても痛くなりました。笑
このあとは紙漉きです。
ほぐれた繊維を紙漉きの水の中にいれてかき混ぜたら、漉いていきます。
はがきサイズの木の紙が出来上がりました。
その紙に植物で飾り付けしていきます。
お庭にある花びらだったり、葉っぱだったり。
自分の好きなように飾り付けできたら完成です。
あとは乾くのを待ちます。
とても可愛い紙が完成しました。
紙づくりのあとは凧博物館の見学です。
館内スタッフさんが丁寧に解説してくれました。
日本の伝統的な凧がずらり、世界の貴重な凧も!!
凧には魔よけの意味があったり、健康祈願などなど。
縁起物なのですね。
ボリューミーな凧博物館を見学した後はゲストハウス「内子晴れ」へ。
「内子町地域おこし協力隊」OBの山内さんが営むゲストハウスです。
古いものと新しいものが融合されたとても素敵なゲストハウス。
あらゆるところにこだわりが感じられ、セレクトされたお土産コーナーは手に取りたくなるような商品が勢ぞろい。
「内子晴れ」が愛される理由がわかります。
夕食の時間
地元産のお野菜がたっぷりで本当に美味しかったです。
栗も甘くて大きくて贅沢でした。
楽しい時間はあっという間、気付いたら遅い時間になっていました。
「また明日ね~」
明日は「みそぎの里」へ!
2日目【和紙を加工する】
みそぎの里(旧御禊小学校)へ
豊かな田園風景が広がる御禊地区は「The日本の田園風景」です♪
日本昔話に出てきそうな(勝手なイメージ!)とてものどかで、いるだけで癒されるような、そんな場所です。
朝食は、手作りのおむすび(みそぎ米とってもおいしかった!)、お味噌汁、お漬物&梅干し、野草茶。
散策途中にあった川の橋でいただきました。(ここでたまにBBQもするそうでとても羨ましい!参加したい笑)
川には鮎がたくさん泳いでいて、豊かな自然風景の中でいただく朝ごはんは格別でした。
みそぎの里へ戻るとグラウンドでみんなが棍棒飛ばしをしていました。
私も初めて挑戦してみましたが、飛ばすのがすごく難しかったです。(結局飛ばなかった!)
みんな楽しそうに何度も挑戦していました。
みそぎの里は、廃校になった御禊小学校を活用しています。
各教室ごとにいろんなお店が入って地元の方々が活躍しています。
■紙屋さん(kami/かみひとえさん:海外から取り寄せた紙の販売もあります)
■ぽたり珈琲さん(黒岩健介さんの焙煎珈琲)
■ゆるやか文庫さん(青山優歩さん)の活版印刷やシルクスクリーン)
などなど
私は、一日目に作った和紙を使ったリングノート作りをしました。
好きなリングを選んで、中の紙を選んで♪
どれも素敵で迷うけど楽しい作業です。
下紙に和紙を貼って、さらにお好みで活版印刷で好きな文字や言葉をいれます。
私は自分が活動している音楽ユニット名「木箱」から「きばこ」という文字をいれることにしました。
位置とか上手に入るかなと心配でしたが、青山さん(ゆるやか文庫)が優しくサポートしてくれて綺麗に刻まれました。
リングノートにするときも、一部失敗してしまいましたが、kami/(かみひとえ)さんがうまく直してくれました。
みなさんの協力もあって思い出いっぱいの世界にひとつだけの大切なノートが生まれました。
嬉しくて嬉しくてやっぱり手作りの良さを感じました。大切に使いたいと思います。
昼食~ランチタイム~
遅めの昼食は、ぽたり珈琲さんのみそぎ産そば粉のガレットランチです。
地元のお野菜も添えられてとても美味しかったです。
デザートは勧められたので、もちろん追加して笑
苺のジェラートとパイナップルのジェラートそれからパウンドケーキ。
コーヒーも頼みました。
コーヒー好きな私にとって、旅先で飲むコーヒーは楽しみのひとつ。
とても美味しかったので、お土産に買って帰りました。
和紙ツアーの最後の工程は
紙の原料になる「みつまた」と「こうぞ」の苗を植えました。
5年後この苗が元気に育っていることを想像して♪
自分の好きな紙を選んで好きな言葉を書いて枝に結びました。
私はブルーの紙に「また内子に来れますように」と書きました。
(短冊みたいになっちゃったけど笑)
みんなで雑草を抜き、土を整え、苗を植え、水をまきました。かけがえのない時間となりました。
「これで和紙の旅の全行程を終わります。」
濃厚で充実していて楽しかった分、なんだかちょっぴりせつなくなりました。
和紙ツアーに参加したメンバーと車に乗り込んで、笑顔で見送られる中、「またね~!!」と手を振って、みそぎの里をあとにしました。
車の中でも「本当に良いツアーだったね。」とメンバーのみんなと言葉をかわしました。このたった二日間でメンバーとの間に絆を感じてしまうほどあたたかい気持ちに。
内子に来るまで、まったく知らない人たちが、ここに来て同じ気持ちを共有している。
人生って本当に面白い。
内子晴れに送ってもらいメンバーとお別れをしました。もしかしたら、もう一生会えないかもしれない人たち。
「今」「この瞬間」がとても大切に感じました。
得るものが大きかった内子町での「紙の旅」
ツアータイトルの「そしてこれから」
内子町のこれから。
そして私のこれから。
この旅が私の人生にどう影響していくのでしょうか?
いまもなお紙の旅の余韻が続いています。
そして、この先にはどんなワクワクが待っているのでしょうか。
非常に感慨深い旅となりました。
私は栗山町で町づくり関連のお仕事をさせていただいておりますが、この経験で得た感動や町の素敵な取り組みを参考に、これから栗山町の活性化につながる活動に生かしていけたらと思います。
内子町で出逢ってくれたみなさんに感謝して。
ありがとうございました。
SPECIAL THANKS
この紙の旅の参加を勧めてくださった内子町役場の兵頭さん
ゲストハウス「内子晴れ」の山内さん
ツアー参加のメンバーのさとこさん、星野さん。
旅の案内人
水谷さん、kami/さん、ゆるやか文庫の青ちゃん、綾ちゃん、ぽたり珈琲さん、亀岡家さん
交流会で会ったニイダさん、ゆうしろうくん
大洲和紙天神産紙工場様
心からありがとうございました。
SAyA
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