見出し画像

エア有権者争奪戦

 隣町である竜王町の道の駅に買い物に行きました。ここは果樹や野菜だけでなく様々な産物が売られています。丸々と太ったサクランボや巨大なトマト、平飼い鶏有精卵など新鮮な産物を購入しました。そういえば、11日から竜王町長選挙が行われており3陣営が火花を散らしています。

アグリパーク竜王で購入した有精卵

 町内に入ると青と白桃の幟旗が林立していることに気がつきます。どれくらい林立しているかといえば、交差点という交差点はもとより道端や畔など至るところに幟旗が旗めいているのです。今日は抜けるような快晴だったため、余計になびく旗が目に焼き付く結果となりました。

せめぎ合う青幟と白桃幟

 青の旗は現職の西田秀治町長陣営、白桃の幟は挑戦者の山添みゆき候補陣営です。もう一人立候補していますが、畑明郎候補陣営は白緑です。コンパクトシティより子育て・暮らしを!と文字まで書いてあり、これはちょっとグレーゾーンに見えますが、幟の数自体は圧倒的に少ない感じです。

数少ない白緑幟には政策の文字が

 青と白桃の幟旗は競い合うように立っています。おそらく現職陣営が物量作戦で攻めているところに、チャレンジャー側がゲリラ的に青幟の立っている近くに同じかそれ以上の数の白桃幟を立てて行ったのではないかと想像されます。これにより視覚的には有権者に対等の勢力であることを示すことができます。

青幟を圧倒する資格効果を持つ白桃幟

 実際は告示される以前から激しい鍔ぜりあいが行われており、とりわけ現職陣営は各集落や連合などで町政報告会を重ねてきました。国会議員や県議会議員も数多く駆けつけ、物量的には山添陣営を圧倒している様子です。そうした状況を眩ませてしまうのが、青幟の横には必ず同数以上の白桃幟作戦でしょう。

ようやく見つけた2陣営は午後の静けさ

 これほどの陣取り合戦は滋賀県南部においては20年ほど前であればスタンダードでしたが、コロナ禍を経て絶滅したかと思っていたのに、意外と復活しているのに驚きました。林にある山添陣営、西川にある西田陣営の事務所前を通過しましたが、平日の昼間に加えて極めて暑いからなのか人は集まっていませんでした。

唯一白桃幟だけで埋め尽くされた林集落

 青と白桃の幟がほぼ隣接して町内に林立しているとしましたが、林の集落内だけはほぼ白桃の幟で埋められていました。町内一筆書で車を走らせながら街宣車に出会わないなと思っていると、小口で西田陣営の街宣車に出会いました。車は天井川である祖父川堤防の上から堤防下の仲良し広場を見下ろす位置に止まります。

町中走り回ってようやく見つけた街宣車

 街宣車から降りた西田町長は仲良し広場とその周辺に広がる小口集落に向かって堤防の上から街頭演説を始めました。暑いので誰も聴きに出てきません。コロナ禍の影響もあり、選挙の態様も様変わりしたようです。新人はこんな感じなのかでしょうが、現職にとってはとても戦いづらい選挙なのではないかと感じました。

直射日光を受けた堤防上からの演説

 西田町長は現職の強みを発揮して、コンパクトシティ計画をはじめとする2陣営からの批判に対して個別具体的に反論を加えていきました。とりわけこれまでの流れを断ち切る見直しをすると他の事業にも影響があることや町の政策は30年後の竜王町を考えて教育施策に重点化するというように訴えていました。

エア聴衆に向けた選挙演説

 こうやって選挙期間中には、聴いていただけているかどうかわからなくても自身の所信や公約をエア有権者に訴え続け、自身への投票行動につなげてもらわなければなりません。そうした訴えを繰り返し、多くの人と接してその思いを伝え、受け取ることで「政治家」が育て上げられていきます。選挙はとても大事なのです。

いいなと思ったら応援しよう!