オフィスに誰がいるかを、Jamf Proとオウムに教えてもらうことにした
note社は「フレキシブル出社制度」を採用しており、原則リモートワークを前提とした勤務形態になっています。それでも、何かと用事があってオフィスに来る人はいるもの。わざわざオフィスに来て仕事をするのを好む人もいます。
しかしフリーアドレスのオフィスでは、日々の気分で好きな場所に座って仕事をするので、誰がいるかを一目で把握するのは難しい。また、リモートからオフィスに誰がいるのかを知りたいニーズもあちこちから出ていて、なんとかならんもんかね、とリモートワークが推奨されて以来考えていました。
いろいろ考えた結果「これ手持ちの材料でなんとかなるかも?」と思い至り、現在オフィスに誰がいるのかを教えてくれるSlack botを作りました。今回は、この開発秘話(?)を書こうと思います。
何をどう作ったのか
端的に言うと「Jamf Proの管理下端末の発信元グローバルIPを判定し、現在時刻とJamfへの最終チェックイン時刻を比較・評価した上で、オフィスのIPに該当する端末の使用者リストを作り、Slackに流すbot」を作りました。※オフィスのグローバルIPは固定IPです。
社員に貸与するために会社が資産として所有しているMacBook(全PCのうち、99%がMacBookです!)はJamf Proで管理されています。Jamf Proで管理されているデータをJamf ProのAPIをGoogle App Script(GAS)から呼び出して、必要なデータを取得して加工したのち、ZapierのWebhook(データの受け取り口)に投げ、ZapierからSlackに投稿しています。
Google Workspaceが介在しないのにGASを使っているのは動作環境の管理が楽で、ツールの性質的に実行タイミングの精度と速度がさほど求められないから。Zapierを噛ませているのはGASでゴリゴリ書くよりも手軽にSlackへ投稿できるからです。省ける面倒は積極的に回避していきます。
Jamf Proには端末ごとに使用者を登録できる画面があります。ここに登録されている「氏名」を使って、当該端末の使用者をSlackに表示させるようにします。何かに使えないかな?と密かに登録していた項目が、今回ようやく日の目を見ました。
同時に、ツールにフィットさせるためにやった登録項目の調整を通じて、Jamf Proと外部ディレクトリを連携させる意義を体で理解しました。(手で変更するのは本当につらいので、素の状態でOneloginのvLDAPとも連携できるようにならないかな...。)
(2022/5/25追記)
現在はGoogle Workspace Enterprise Plusを利用しているため、Cloud Identity経由でIdpの情報が連携されるようになっています。(それでも、最初の一回は検索して登録しなければならないのですが...)
愛着を持ってもらうために
Zapier経由でSlackに投稿する際、デフォルトではZapierのロゴが無骨に出るだけのbotとなります。
それでも用は足すのですが、せっかくみんなのために作ったツールなので、少しは愛着を持ってもらいたい。そこで「何か」に喋らせる設定を思いつきました。その喋り手として白羽の矢が立ったのがコイツ。
このグルグル回る珍妙な生き物をご存知でしょうか。これは「Party Parrot」といって、オープンソースコミュニティから生まれたオウムです。ここから派生した無数のオウム達がSlackのスタンプとして、以下のサイトで配布されています。
PARTY OR DIE...物騒な。
noteのSlackワークスペースにもたくさんのオウムがいます。そんなみんなに愛されているオウムに誰がいるかを教えてもらうことにしました。
展開にあたって
我ながら結構便利だとは思うものの、居場所を把握されるのが嫌な人がいる懸念もあり、ちょいちょい反応を探りながら展開を進めました。ひとまず、自分の分報チャンネルに出現させて反応を見ると反応は上々、CTOの覚えも悪くなさそう。これで自信を得て、社内のみんなにお披露目を。
そうです。
お披露目したのは、全社の雑談チャンネル#all-random。そこに、なんの前触れもなくオウムを登場させてみました。すると。。
反応いいじゃーん!念のため、これ嫌な人いる...?と聞いてみるもネガティブな反応はなかったので、本格的に運用開始となりました。今日もオウムは12時から13時の間、元気に誰がいるかを教えてくれます。一回あたりの投稿が結構なボリュームとなり、1日何回も表示されると邪魔になるため、ランチ仲間を探す人のために、一旦この時間帯のみの登場としています。
今日のバリュー
クリエイティブでいこう
社内の課題をできるだけスマートに、かつ遊び心を持って解決していこうとしている事例の紹介でした。それをnoteの6つのバリューのどれに当てはめるか、と聞かれたらやはりこれかなと。
僕はバックオフィスを持ち場としており、いわゆるクリエイティブ職ではありません。しかし「クリエイティビティってそうした人たちの専売特許ではないでしょう?」ということは、はっきりと主張していきたいです。どんな仕事をしてようが、誰にでもその仕事で創造性を発揮するチャンスと権利(そして、いくばくかの義務)があるはずです。
また、なんといってもクリエイティビティは伝播します。現に、この仕組みを使ってもっと社内フローをスマートにできないか?という相談がバックオフィスの某所から来ました。オウムも鼻高々です。近いうちに、その施策がこのオープン社内報の新たなネタになるかもしれませんね。
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