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あなたを幸せにするのは会社じゃない、という話

ちょいと前から社会人向けのコーチングをほそぼそとやらせてもらっています。これまでずっと学生さん向けにはやってきていましたが、社会人となるとまただいぶ勝手が違うもんだな(当たり前なのですが)と、面白い手応えを感じています。

相談いただくのは人によりさまざまとはいえ、キャリアに関するもやもや話です。転職する!と明確に決めてるわけでもないけどいろいろもやもやする、と。

で、そういう方々の話を聞いていていてたまに思うことがあります。

「この人が求めている世界はこの世にあるのだろうか?」と。

今回は、そんな話。

日本代表なんてどこにもいませんよ??

いきなり話が変わって申し訳ないのですが、僕は何年かに一度盛り上がるサッカーワールドカップに1mも興味を持てません。W杯の度に出てくる「日本のために」「日本代表」というみんなを熱くするその概念が全く理解できないのです。

ついでにいうと「チームのために」「会社のために」「組織のために」という概念もさっぱりわからない。

その人、どこにいるんですか??

と、思ってしまう。チームも組織も会社も国も、それらは全て概念でしかなく、その実態のない概念のために頑張る、ということが理解できないのです。ひねくれていて申し訳ない。

弁明を少し。でも僕は「個人」には異常に感情移入するタイプです。だからコーチングは好きだし、格闘技も好き。他の誰でもない”あなた”のためなら頑張れます。冷酷非道な男じゃないのでそこんとこよろしくです。

ワンダーランドを求めてキャリアを悩む

話を戻します。人が仕事を選ぶ時の理由なんてさまざまでいいと思うのですが、キャリアに悩んでいる人の話を聞いていると、きっとまだ出会えてないだけのワンダーランドがこの世のどこかにあって、それを探し求めているんじゃないかなという気がすることがあるのです。

どこかに、自分にピッタリの場所がある。そこに行けばきっと全てが満たされて、毎日が充実しているに違いない・・・みたいな。

人々がそう思ってしまう理由の一つがSNSなんでしょう。スマホを開けばどこかの誰かの都合のいい一瞬がタイムラインに流れてきます。ベンチャー界隈の人たちは今でも「働く最高!」的な世界観で排他的な連帯感をSNSで披露しています。Youtubeでは成功者が立派な人生論を語っています。そう、スマホの中のその人たちは、自分がまだ出会っていない世界の中で生きている。自分はまだその世界に出会っていないんだ・・・!

キャリア迷子の人達って、そんなふうに思っちゃってるんじゃないかなと。

「やりがい」を会社に求めるのはどうなん?

キャリアに悩む人たちの悩みを聞いていて疑問に思うことがあるのが「やりがい」。「やりがい」を求めて職場を探す人が多い。で、こういう方々で多いのが「会社の事業内容やビジョン」と「やりがい」をつなげて考えがちだということです。そう、彼らはこの世のどこかにやりがいを感じさせてくれる会社や事業があると思っているのです。まだ自分が出会っていない会社があって、そこが自分にやりがいを授けてくれるのではないか、と。

でも、会社という概念に過度な期待はしないほうがいいんじゃないかなあと僕は思ったりします。

だってそれは幻想です。概念です。実態がないんだから曖昧だし、いい面もあればがっかりする面もきっとある。今あなたが感じている不満が転職によって消えても、きっと新しい悩みが出てくるに違いないのです。

キャリアは、自分のことだけ考えてりゃいい

じゃあどうすんねん、という話なんですが、答えはシンプルで会社に何かを期待するのはやめて自分の幸せのことだけ考えればいいんじゃないかなということです。

会社は、あなたを幸せにする存在ではない。あなたを幸せにするのはあなた自身でしかない。会社のビジョンに共感するのは別にいいけど、会社の為に働かなくていい。だって会社とは概念だから。その時その時で、自分にとって相性の良い舞台として会社を捉えればいい。だから転職自体は全然いい事だと思う。転職先に過度な期待をしないでね、というだけで。

とにかく、自分が輝ける会社が世界のどこかにあるはず、、なんて思わないこと。というか、幸せは会社に与えられるもんじゃないはずなのです。

自分の幸せの主導権を、会社に握らせちゃあかんよ、というお話でした。

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羽田 啓一郎
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