![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44948373/rectangle_large_type_2_025a3400f1cf48b56d306c0f02077730.jpg?width=1200)
イブンとビン
アラブ人の名前で『ビン』とか『イブン』というのを
聞いた事はありますね。
ムハンマド・ビン・サルマーン(サウジアラビアの王太子)
イブン・バットゥータ(大旅行家)
どちらも息子という意味なのですが、どういう時に『ビン』といい、
どういう時に『イブン』というのか?
ざっくりいいますと、
🔹ビンの後ろは父の名前。
🔹イブンの後ろは父の名以外。
例を見ていきましょう。
モハンマド・ビン・アブドゥッラー
محمد بن عبدالله
アブドゥッラーの息子ムハンマドという意味で、
預言者ムハンマドのことです。
イーサー・イブン・マリヤム
عيسى ابن مريم
マリヤムの息子イーサーという意味で、
つまりは聖母マリヤの息子イエスでイエス・キリストのことです。
ビンとイブンの文法的な細かいお約束は色々ありますが、
父の子の時はビン、母の子の時はイブンと覚えて下さい。
これを知ったあなたはもうイブン・バットゥータのバットゥータはお父さんではないということがわかりますね。
お母さんの名前がバットゥータだったのです。
お母さんの本名はファーティマというのですが、
モロッコではファーティマを可愛らしくいう時、バットゥータといい、
イブン・バットゥータはなんらかの理由でそういう呼び名を好み、
生涯『イブン・バットゥータ』を名乗ったというわけです。
イスラム世界の偉大な学者イブン・ハルドゥーンも
ハルドゥーンはお父さんの名前ではありません。
父の名はムハンマドといいました。