2021年 ①「余白」から創造へ
あけましておめでとうございます。昨年、コロナ禍の中で未来に向けてひとつの光を見ることができました。職員から毎週驚くような積極的な提案が上がると同時に、私自身も気持ちよく職員に仕事を頼んだり、提案できたのも10年ぶりぐらいでした。
著書「世界基準の幼稚園(光文社)」の第4章に、”「余白」は決して削らない”という見出しがあります。
小さな頃から様々な体験をさせるのは重要ですが、それと同時に覚えておきたいのは、スケジュール全体の中に「余白」をつくる重要性です。余白とは子どもがのんびりと自分に向き合える時間や環境のことです。・・・82ページで「すべての傑作は自由な時間に生まれる」ことについて述べました。子どもの内発性や創造性を育むフロー体験を誘発するのは、時間的、環境的な「余白」があってこそです。
子どもの成長条件について書いたものですが、良い保育をするためには保育者にとっても同様に「余白」が必要ということを、コロナ禍での保育時間の縮小によって強く感じることとなりました。
考えてみれば、保育時間が職員の勤務時間を常に上回る状態で教育活動も充実させるためには、職員には持ち帰って計画や準備をしてもらうか、または、保育中にこどもを援助する時間を省いて”自由時間?”にしてそれをするかしかなく、前者のような“昭和型の働き方”が暗黙の了解でなくなる中、ここ数年は職員に新しい提案をすること自体、後ろめたさを感じながらのものでした。
昨年後半は、ワクワクするような提案が次々と現場の保育者から上がり、保育改善の共有なども週内にすることができました。また、準備や打ち合わせが子ども不在の時間にできるため、保育時間においては保育者と子どもとの関わりが増え、援助する場面も増えました。これを続ければ必ずこれまでになくダイナミックで且つ一人ひとりに合わせた未来志向の保育ができ、子どもの成長にも貢献できるものと心を躍らせております。
「変わらないためには、変わり続けなければならない」という言葉があります。多くの皆さんに共感いただいた『世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる』の保育を継続し、発展させるためには時代や環境に応じて変わり続けなければならないと感じています。
ウィズ・コロナをきっかけに、どこに向かって進めばよいのか、その光が見え、確信につながりつつあります。これもひとえに保護者の皆さんのご支援の上に成り立つものと心から感謝をし、必ずや、お子さんの更なる成長をもってお返ししたいと改めて感じながら新年を迎えています。