橋井健司

保育士。著書「世界基準の幼稚園(光文社)」 世田谷区で児童発達支援事業所を経営していま…

橋井健司

保育士。著書「世界基準の幼稚園(光文社)」 世田谷区で児童発達支援事業所を経営しています。社会をより良くするために何ができるか。子どもの姿から学ぶこと。

最近の記事

世界のどこでも「自分らしく」力強く

私は2007年に「新教育デザイニング」という会社を設立し、”世界のどこでも、自分らしく、力強く”という方針で主体性を尊重し、一人ひとりに光る個性を発掘する幼児教育を推進してまいりました。 当時は児童発達支援という現在の療育制度もなかったため、設立した認可外保育園には認可より子どもを手厚くみてもらえるということで発達に課題のある子も多く通っていました。 大変興味深かったのは、発達に課題や凸凹のある子ほどある面では特異な能力や集中力をもっており、素晴らしい表現やスキルを発揮す

    • 未来の世代のために

      2007年に幼児教育施設を立ち上げ、今年で18年目になります。 いまの子どもたちが社会の中心になっている2050年は、どのような時代になっているでしょうか。そこで求められる人間像にはどのような資質が必要とされるでしょうか。 昭和から平成、平成から令和へとこれまでの時代は平和で経済的にもまだ安定した時代だったのかもしれません。 これからの時代は「インターナショナル」や「グローバル」という視点だけではもの足りない、"持続可能な社会(SDG)の担い手を育む" と言われるように

      • 2050年に向けて

        世界中の人々が新型コロナウイルスの出現によって立ち止まらざるを得ない状況となり、ロシアのウクライナ侵略によって戦争の恐怖を身近で感じることとなりました。 いまの子どもたちが社会の中心になっている2050年は、どのような時代になっているでしょうか。そこで求められる人間像にはどのような資質が必要とされるでしょうか。 昭和から平成、平成から令和へとこれまでの時代は平和で経済的にもまだ安定した時代だったのかもしれません。 2050年の社会に向けて。これからの時代は「インターナシ

        • 未来のリーダーを育てる

          新年あけましておめでとうございます。コロナ禍のストレスある環境がまだまだ続きそうですが、希望に満ちたよい一年にしたいですね。毎日が楽しかった!といえるように上を向いていきましょう! さて、日本の社会では“リーダーにふさわしい人が少ない”、“リーダーシップが足らない”ということが日頃からよく言われています。これは残念ですが現実であると思います。 一方で「リーダー像」というのは時代とともに変化しています。これからの社会では支配型や命令型のリーダーシップは通用しなくなり、「サー

        世界のどこでも「自分らしく」力強く

          提案できる姿

          先日2つほど、感心することがありました。6歳の子が、ある遊び道具の量を増やしてほしいと言ってきました。 私が全体の量を増やせばいいのかと聞くと、ある「特定のパーツだけ」という提案をしてきました。「○○くんと○○ちゃんがそれを一人で何個か使うため、他の子が足りなくなってしまうから」と。 トラブルを回避するために何をすべきか。分け合ったり、我慢したりも大切ですが、目的を絞って提案をしてくるという姿。私は心を動かされ、「素晴らしい提案をしてくれた。ありがとう。」と6歳の子の姿勢

          提案できる姿

          異年齢教育

          こんにちは。ブログ記事を楽しみにしているという声を様々な立場の方から時々聞き、嬉しく思っています。 さて、異年齢の教育環境において、皆さんが知っていること、または想像されることは、年上の子が年下の子を教えたり、模範になったりするということだと思います。 確かにそのような場面が多く、ありがたいことに、下の子たちは保育者に誘導される時よりも年上の子たちに導かれる方が素直に自律的な行動をすることもあります。大変微笑ましい光景です。 一方で、日常生活の中では逆もあります。年上の

          異年齢教育

          スポーツ祭

          感染症が落ち着いたタイミングで、天気にも恵まれ、今年のスポーツ祭は無事に開催できました。 「運動会はしない」という考えのもとでのプログラム、運営でスポーツ交流会を実施をしています。どの子も自分のペースで楽しく参加し、違いを認め合うことを大切にします。 豊かな表情、キラキラの笑顔、ギラギラした真剣な目つき。どれもすべて自分の意欲、意思から出ている大切な姿です。 異年齢生活の中で毎日を過ごしている子ども同士ならではの思いやりを感じる場面も数多くありました。 年長児は組体操

          スポーツ祭

          稲刈り体験と食育

          稲刈り行事が中止になる中、年長・年中の皆さんが今年は“超特別”にその体験をさせてもらいました。 コロナで様々な機会が中止になる中、園児たちに秋の貴重な体験活動をさせることができ、みんなの生き生きとした表情を見てホッとしました。 中止になった会場へ入って交渉できる職員、また現場で温かく迎えてくれて、稲の刈り方の指導まで丁寧にしてくれた作業員の皆さんに心から感謝です。朝は最寄り駅での集合に保護者のみなさんにもご協力いただきました。 主食であるお米がどのように育ち、食卓に

          稲刈り体験と食育

          ○か✖ではなく、△を考える努力

          園でお世話になっている、スポーツクラブでの温水プール活動。コロナ対策として20分限定でしたが今年も保護者参観ができました。 3カ月前に打ち合わせをした時は今年は難しいかなと思いましたが、8月の打ち合わせ時には創意工夫に満ちた発想での提案を頂きました。 普通であれば、子どもとガラスで遮断されている観覧席で保護者の人数を限定してと思ったのですが、観覧席は換気が悪いからという理由でむしろ換気のよいプールサイドのみで参観を受け入れるという逆転の発想のような提示でした。 子どもの

          ○か✖ではなく、△を考える努力

          オリンピック関係者の過去のいじめ虐待問題

          人は誰でも過去に何らかの誤ちをしてしまったり、悔いたりしていることがあると思います。 但し、今回の東京オリンピックの音楽リーダーにおける過去のいじめ虐待内容は、時代の価値観が違ったからという意見はありながらも、過去のこととして流せる範囲のものではないと思います。 私がより注目したのはこの発覚が地域的に近い学校での出来事であり、過去の時代のことと言えども、その兆しもあったのではと感じたからでした。 もしかしたら、たった一人の生徒がやったことかもしれませんが同じ小中高で少な

          オリンピック関係者の過去のいじめ虐待問題

          違う視点を見つけ、話し合える

          初めて外部から講師を招いての研修ができました。今年度から2園ともに週一日14時お迎えの日を同じ曜日に揃えることが保護者の皆さんの協力で出来たので、3月から計画を立てました。(現在は一園に統合しています) 研修第一回はこども発達実践協議会さんにぜひお願いしたいと以前から思っていたことが実現し、沢山の学びがありました。 中でも「保育士同士が違う視点からこどもを観察し、それをフィードバックしあうこと」をワークを通じて全員で体験し、共有できたのは大きな意義がありました。 日本人

          違う視点を見つけ、話し合える

          初めての6月スイカ割り行事!

          スイカ割りを急遽、予定変更で実施しました。偶々、保護者さんから特大サイズのすいか(スーパーでは絶好に見ないサイズ)を頂き、これは単に切って子どもに食べてもらうだけではもったいないと思ったことからでした!日本一早いスイカ割イベントかもしれません。笑 職員から積極的に急な準備をしようと対応してくれたことに感謝です。前週に、保護者懇談会を行いコロナ禍での行事を(感染対策をした上で)後押ししてくれたことも職員にとって大きな力です。 今後もまだしばらくの間、行事は一年間や何ヶ月も前

          初めての6月スイカ割り行事!

          これでいいの、日本?

          99%ぐらい設備は整っており、責任者の採用や有資格者の雇用条件は100%整っているにも関わらず、たった一枚の紙が用意できず、悔しく退去することに。 建物の「検査済証」。東日本大震災でも問題なく、15年の保育事業では一度も行政からも建物のことで指摘されることなく、耐震性や安全に不安がなかったにも関わらず。 “役所の認可事業ってこういうものなんだ” と、経営者としての勉強と考えればそれはそれで得るものはある。しかし、明日からでも困っている子や家庭を支援できる物的・人的インフラ

          これでいいの、日本?

          久しぶりの「喪失感」に

          経営者になってからも、企業に勤めていたころも全く同じですが、悩みは誰にでもあり、希望や目指すことがある限り日々尽きないですよね。それは人生を前向きに生きている証とも感じます! そういう課題は年々受け入れられるようになり、強くなったのですが。 喪失感とは、それとは少し違い、過去をふりかえっての想いからくるものと思います。 最近でそれを感じたのは、6年前、父親を亡くした時の思いかもしれません。それと同じぐらいか分かりませんが、久しぶりにそんな気持ちになりました。

          久しぶりの「喪失感」に

          将来のゴールは同じ

          児童発達支援事業を始める理由を書いたところ、多くの方々から共感の言葉やメールをいただき、大変うれしく思っています。ありがとうございます。 本来は2022年4月に新しい場所でと計画していましたので、予定を早められるかどうかは自治体の意向やこちらの準備計画もあり、まだ分かりませんが変化に対してスピードが必要な時代であり、また、区内でも現在困っている子も少なくないだろうと考えることから秋開設を目標に少しずつ動き始めています。 正直なところ、私は社会の「セーフティネット」という役

          将来のゴールは同じ

          児童発達支援事業に参入する理由

          2022年4月に向けて計画していた事業所開設計画が、事情によって少し前倒しで準備することとなりました。行政の指示により、まず、最初の仕事が株主総会を開き、定款に「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」という目的を加えることでした。。。 責任はもちろん今までと違う仕事でスキルも必要とするものですが、ただ私の中では全く別の世界で新たな事業を始めるという意識はあまりありません。 それは、少なからず多くの子が発達の凸凹で困難を抱えており、今の幼稚園や保育園現場の環境だけでは解決で

          児童発達支援事業に参入する理由