Lさんの興味 その1 小学生行方不明事件に
ハリーポッターの読み聞かせに、身をよじって興味を示してくれたLさんは、実に多様なことに興味を持つ方でした。
ある年、小学生が行方不明になったことがニュースで繰り返し伝えられていました。Lさんは小学生の消息が気になり、テレビから聞こえてくるたびパルスオキシメーターのアラームを鳴らして気にしていました。
当時の担任も、その時々の進展をLさんに話して聞かせていました。
消息がわからなくなってしばらく経ったときに、小学生発見のニュースが流れました。担任がそのことをLさんに教えると、涙を一粒流したという話を後日聞きました。
Lさんは感覚や運動、コミュニケーションに大きな制約がありましたが、Lさんがいつもアンテナを張り巡らしている様子や、豊かな感情に接するにつけて、もっと丁寧に、もれなく、わかりやすくLさんの興味に応えていかなければいけないと心から思いました。
補記:パルスオキシメーターのアラームを鳴らして「知らせた」ことを大越桂さんがエッセイに書かれています。大越桂さんの詩は小学校の教科書にも掲載されています。https://plaza.rakuten.co.jp/678901/