僕は酔っているのかもしれない
酔っている、そう思った。
世話になった上司の笑顔を見て、何故かそう思ったのだった。
彼は九月末に九州支社へ異動となる予定でありその理由が、上に対する反抗癖であることについては、皆が知るところだった。
「課長、九州でも元気でやって下さい」
「出張で来た時は、また一緒に飲もうや」
そんな会話をした彼、部署唯一の同郷である。あぁもう関西弁も聞き納めだなぁ。僕は、敬語だと上手く関西弁を喋れないから。
そんなことを考えていると、酒が趣味のはずなのに、すぐクラクラと、クラクラと。
上司に楯突いても良い。自分の理想を追い求めても良い。ただ、結果を残して帰ってこいよ。また貴方の下で戦いたい。
そう感じた今夜。
中央線の隙間風がやけに寂しいや。
そして、何故か改行が上手くいかない。
孤独な人、僕もかつて誇りがあったらしいな。関西人という立派な誇りが。