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山奥に集う修行僧たち(西へ700km旅行記・その2)
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1日目(つづき)
新見駅からは、お待ちかねの芸備線に乗車する。
ホームには、そこらの電車より少々短い気動車が1両、停まっている。
発車する10分ほど前に、このワンマンカーに乗り込む。
そこで、自分が大きな誤算をしていることに気づく。それは、
平日 = 同業者が少ない
という思い込みだ。
車内は立ち客がでるほど混雑している。
過疎路線は全国各地にあるが、それらは廃線論が浮上するたびに、鉄道ファンの注目を集める。そして、乗れるうちに乗っておこうと、全国各地から自分のような物好きたちが集まるのだ。
18きっぷ期間とはいえ、オフシーズンの平日。まだマシだろうと思っていたが…
ともあれ、誰もが遠慮しがちなボックス席の通路側が空いていたので、座席は確保。
列車は新見駅を発車する。
時々徐行もしながら山を登っていく。
うたたねしたり、本を読んでいたりすれば、備後落合駅まではあっという間だ。
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備後落合から先、三好行きのワンマンカーに乗り継ぐ。
先ほどよりは、乗車人数が少なくなる。備後落合〜東城がJR西日本で最も採算のとれない線区だからではない。ここから木次線に乗車する人、今来た道を折り返す人で分かれるからだ。
列車はやはり山中を走る。事情を知らないものからすれば、どうしてここに鉄道が通っているのかと思わせるぐらいの山間を走る。
大量の鉄オタを乗せた列車は、途中で大量の高校生を拾い、終点の三次駅に到着する。1両の列車にこれほどの収容力があるのかと思わせるぐらいに、多くの人が降車する。
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ホームに降り立つと、跨線橋から男子学生が
「はよ帰ろー!!!」
と大声で叫んでいる。誰に何のために向かって叫んだのか、知る由はない。
さて、時刻は16時過ぎ。広島行きの列車に乗り継ぐこともできるが、今日はここまで。
駅から宿までは2km以上ある。徒歩でも20分以上かかる。その近くまで行くバスも出ているのだが、歩くことにした。なぜなら、三江線の廃線跡を見たいからだ。
車社会の道を歩き、大きな川を渡ると、国道を跨ぐ高架線が見えてくる。これが、かつて存在した三江線だ。
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「廃線」と聞けば、周辺を木々や草に囲まれたしょぼい線路を思い浮かべがちだ。しかし、この路線は、隣の駅までは高架になっている。
こうした立派な高架線を眺めてれば、すぐにでも列車が来そうだが、もう来ることはない。
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宿に着く。女将さんから鍵を借りて、階段を登って三階に向かう。おお、なかなかのレトロ具合だ。
客室に入る。8畳間の和室。我がワンルームの部屋よりよっぽど広い。一人で使うには十分な広さ!
冷蔵庫がないのは誤算だったが、テレビやエアコンはあるし、まあ大丈夫だろう。
近くに三江線の廃駅がある。コンビニに買い出しがてら、行ってみる。
荷物を置いて部屋を出て鍵を閉めようとする。しかし、何度やっても鍵が閉まらない。まあ、自分以外に宿泊客はいなさそうだし、大丈夫だろう。
宿から駅まではすぐに着いた。
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ここも高架線同様、まだ当時の形を残している。駅舎もあるし、線路もそのまま。でも、列車が来ることはやはりない。
駅ノートなるものを(たぶん)初めて見たので、記念に書いて、後にした。
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その後、宿でなかなか豪華な夕食をいただき、8畳間という贅沢空間に布団に入り、だらだら本を読んで就寝した。
次回に続く
おまけ
二重露光に挑戦してみた。
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