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現代人を不幸にしている原因は「物質主義」だった?
ブランド品を買って自慢してきた友人がいまして、物って人を幸福にするのかな?と疑問に思ったので、物質主義と幸福の関係についてご紹介します。
物質主義
まず、物質主義とはなんでしょうか?
J-STAGEのマーケティングジャーナルに掲載されていた論文[1]の定義では、
物質主義(materialism)は,消費者が世俗的な所有物を重視することや,対象物の獲得と所有を相対的に重視する消費者の価値観などと定義される。
と定義されています。
簡単にいうと、物質主義ってのは、物質的な所有物や消費が幸せの源とみなす考え方です。
高級車を持っている。
高級ブランドを持っている。
服をたくさん持っている。 など
例をあげるとキリがないくらいあります。
ものがたくさん変えると幸せとかも物質主義的な考え方ですね。
この物質主義的な考え方や価値観が、SNSの影響で近年増えているそうでして、意外かもしれませんが私たちに様々な悪影響を与えているのです。
1.物質主義が私達を不幸にする
物質主義は,さまざまな消費を喚起し、社会の発展[2]に貢献してきました。その一方で、物質主義的価値指向( MVO )の強さと個人の幸福レベルの低下との関連性を示す確固たる証拠[3]があり、
主観的な幸福の低下
自尊心の低下
自信の喪失
うつ病
アルコール、薬物中毒 など
の体調不良や危険な行動の身体症状とさえ関連していました。
主観的な幸福度が低下するというのも驚きですね。
個人的には物質主義が強いってだけでこんなに悪影響があることに驚きでした。でも、確かにブランド品自慢してきた友人は自尊心は低い感じではります。自信とか自尊心がないから他者が価値あるって認めてそうな物を身につける[4]のかもしれませんね。
2.加速する物質主義
悪影響が多すぎる物質主義ですが実際のところ増加傾向にあります。
理由としては、
経済成長と消費の拡大
TVや広告の影響
SNSの普及 など
経済成長や消費の拡大により、人々はより多くの物質を手に入れる機会が増えてきました。また、物を買わせたい企業にとっては「物質的な豊かさ=幸せ」という考えを持ってもらうことは都合がよく、TVや広告の影響により、人々は物質的な豊かさが幸福につながると考えるようになります。
さらに、SNSの普及により、人々は他人の豊かな生活を目にするようになり、自分自身も物質的に豊かになりたいという欲求が高まることで、物質主義が加速しています。
実際、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の2023年上半期の売上高[5]は、422億ユーロ(約6兆5700億円)で、過去最高を記録しており、高級ブランドの需要が堅調に推移していることがわかります。
3.物質主義から身を守る
ここまで物質主義な考えが浸透している現代では、物質主義的な考えの影響を受けがちになってしまします。ミニマリストになれとは言いませんが、物質主義の悪影響を少しでも減らすために、以下の3つのテクニックをおすすめします。
機能性で物を選ぶ。
所有物の上限数を決める。
その金額を稼ぐのに何時間働くか考える。
3つのテクニックを活用することで、無駄に物を買う回数を減らすことができ、価値あることにお金も使えるようになっていきます。実際、使ってない物って結構多い物なので、使ってないなと気がついた物はフリマに出すか、捨てるなどするのもありというか推奨します。私の場合は使わないものは結構フリマアプリで売っちゃいました。
まとめ
物質主義的な考えが私たちの幸福度を下げていることやその他にも様々な悪影響を与えていることについてみてきました。企業側からしたら「物質的な豊かさ=幸せ」って考えを植え付けるメリットがデカすぎますが、逆に「不幸になるだけ」なので本当良い迷惑であります。
でも、今回の記事を書いていてマーケティングって本当凄いなって思うと同時に怖いなと思いました。
そろそろ渋谷のハロウィンもありますし…(あれも元々はマーケティングから始まったんです。)
本日のおすすめ本
参考文献
[1]https://doi.org/10.7222/marketing.2023.023
[2]Marsha L. Richins, Scott Dawson, A Consumer Values Orientation for Materialism and Its Measurement: Scale Development and Validation, Journal of Consumer Research, Volume 19, Issue 3, December 1992, Pages 303–316, https://doi.org/10.1086/209304
[3]https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fa0037409
[4]https://doi.org/10.1016/j.paid.2018.04.038
免責事項:以上一部を参考に筆者独自の解釈と科学的根拠に基づいた記事なので、元の研究とは内容が異なることもあります。文献が基本的に英語なので、読み間違えや理解不足の点も多々あると思うので、自己責任でご覧ください。記事にはAmazonアフィリエイトなども含んでたりします。