ふくらはぎで血流アップ
【ふくらはぎは第2の心臓】
なんとなくすっきりしない、むくみやすい、いつもより肩がこる、血の巡りが低下しているのかもしれません。そんなときに、ふくらはぎのケアをおすすめします。
ふくらはぎは体の末端、心臓から遠い場所にあります。体じゅうに血を巡らせるには、このふくらはぎから心臓へ、つまり下から上へと血液を送る必要があります。通常は、ふくらはぎの筋肉がポンプとなり、血液を押し上げています。このことから、ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれるようになりました。座りっぱなしで動かなくなると、このポンプの働きが弱り、むくんだり冷えたりする原因となります。
【ふくらはぎの状態のチェック】
・両手の親指と人さし指でつくった輪に、ふくらはぎがすっぽりと入る
・ぶよぶよ、ふにゃふにゃで柔らかい
・ふくらはぎを指で押して離すと、指のあとが3秒以上もどらない
・血管がぼこっと浮き出ているところがある
・手のひらで触ると冷たく感じる
こんなときは、お手軽ふくらはぎケアをお試しください。
【お手軽ふくらはぎケア】
①ふくらはぎをもんだり温める
一番手軽な方法は、ふくらはぎをもむこと。ふくらはぎをもむと、ポンプ機能を手助けし、全体の血流が良くなります。下から上へともむのが良いですが、どんな方法でも、もむだけで効果が期待できます。お風呂でもめば、より効果的です。水分ですべりが良くなってもみやすく、湯船につかることで、水圧や温熱による血流改善効果も期待できます。もむときには手も動かすので、腕の刺激にもなります。
②ツボを押す
ひざからすねの骨に沿って指4本分下(外側)に、「足三里」というツボがあります。胃腸の不調、むくみ、足のトラブルなどに効くとされています。このあたりで「イタ気持ちいい」ところを探して押します。ふくらはぎをもむとき、ツボも刺激することで、さらに健康効果が期待できます。足三里はお灸をすえるのもおすすめです。
③足を動かす
足を動かして筋肉を鍛えるのも、効果の高い方法です。歩くとしっかり筋肉を使いますが、室内でできる運動も有効です。かかとを上げ下げする、といったことを、こまめに行います。ふくらはぎを構成する大きな筋肉ヒラメ筋を動かしてポンプ機能を強化できます。
座ったままひざから下を動かすだけでもOKです。かかとを床に付けたまま、つま先を上げ下げすると、すねのあたりの筋肉(前脛骨筋)を鍛えることができます。
また、たんぱく質をしっかりとることも大切です。筋肉の材料となることはもちろん、むくまないためにも大事です。たんぱく質が足りないと血中のアルブミンという成分が少なくなります。血管内にアルブミンが十分にあると水分が保持されますが、少ない場合は、浸透圧の原理で水分が血管外に出てしまい、むくみにつながります。
むくみ対策としての、市販の着圧ストッキングは、着けているときは楽になるかもしれませんが、圧迫し続けるのは血行不良のもとになります。短期的に、適度な使用をおすすめします。治療目的の着圧ストッキングは医師の指示に従って使ってください。血管が浮き出ているとき、下肢静脈瘤の可能性もあります。早めに医療機関で診察を受けてください。