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アルツハイマー型認知症のリスクは歯が残っている人ほど低い

日本の60歳以上の人々について、歯槽炎(おおよそ401万人)や歯の欠損(おおよそ66万人)と診断された方々を対象に、アルツハイマー型認知症との関連について研究が行われました。その結果、歯が20〜28本ある人々を基準とした場合、歯の残存本数が10〜19本の人々のアルツハイマー型認知症のリスクは1倍と比較され、さらに歯の残存本数が1〜9本の人々は、リスクが1.34倍に上昇したことが判明しました。さらに、失った歯の本数が1〜13本の人々を基準とした場合、歯の喪失が14〜27本の人々では、リスクが1.40倍となり、さらに28本の場合では1.81倍に増加したことが明らかになりました。この結果から、残っている歯の本数が少ないほど、失った歯の本数が多いほど、アルツハイマー型認知症に罹患するリスクが高まる傾向が示されました。

研究によると、九州大学などの研究チームが実施した実験において、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面に、アミロイドβが増加することが示されました。アミロイドβは、アルツハイマー型認知症患者の脳内で多く見られる物質です。また、歯周病と骨粗しょう症、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、早期低体重児出産などとの関連も指摘されています。

歯周病の予防や治療は、これらさまざまな病気の予防にもつながると考えられています。最近では、50代以上の人々の間で、歯周病や過度なブラッシングにより歯茎が下がることで歯の根が露出し、根面う蝕(歯の根元部分にできるむし歯)が増加しているとの報告があります。この部分はエナメル質で保護されていないため、むし歯が進行しやすく、歯を失うリスクが高まります。歯がしみる、歯ぐきが下がっているなどの症状があれば、自己診断せずに早めに歯科医を受診することが重要です。歯の健康は全身の健康にとっても非常に重要な要素ですので、しっかりとケアしていきましょう。

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