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「噛む」ことはやっぱり大事
現代では、人々の平均寿命が延び、それに伴って健康寿命を保つことがますます重要となっています。その中で忘れてはならない大きなリスクの一つが「オーラルフレイル」です。オーラルフレイルとは、口の中の機能が軽微に低下したり、食事のバランスが乱れることを指します。
最近では、若い世代でも柔らかい食べ物を好む傾向が強まっています。これにより、口の周りの筋肉を使う機会が減少し、硬い食べ物を噛む際に必要な筋肉や、口の中で食べ物を調理するための舌の筋肉などの徐々な筋力低下が生じます。このような要因が、オーラルフレイルの原因となることがあります。
加齢とともに、体全体の運動機能や認知機能の低下が顕著となり、一般的に注目されている「フレイル(虚弱)」という状態が起こります。しかし、オーラルフレイルは、フレイルが現れる前段階であることから、老化の初期症状として非常に重要なサインであるとされています。
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口の周りの筋肉が弱くなると、段々と噛むことが難しくなり、噛む動作によって分泌される唾液も量が少なくなります。唾液には、ラクトフェリンやリゾチーム、ラクトペルオキシダーゼ、免疫グロブリンなどの抗菌物質が含まれており、歯周病や虫歯を予防するのに非常に重要です。オーラルフレイルを予防し、たくさんの唾液を生成するためには、要求のある食べ物を噛むだけでなく、歌を歌ったり他人とおしゃべりするなど、楽しみながら口を動かすことが非常に大切です。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、人と対面して会話をする機会が大幅に減少し、これも口周りの筋力が低下する原因の一つになっています。ただし、筋力はいつでもトレーニングで回復することができるため、オーラルフレイルも改善できます。若いほど早く改善が見られるため、口周りの筋力が弱いと感じる場合は、噛むことや話すことなど、口を動かす努力をすることが大切です。