下肢静脈瘤~むくみ、だるさ、皮膚の炎症の症状も
下肢静脈瘤には、血管がボコボコしていたり、青く浮き上がっているなど、外見上の特徴があります。したがって、多くの人が見た目の変化から下肢静脈瘤に気づく傾向があるようです。他にも脚のむくみや痛み、だるさ、重さ、疲れなどの不快な症状が現れることもあります。さらに、夜中に脚がつるという症状も見られます。症状が進行すると、皮膚が炎症を起こし、発赤やかゆみ、痛みが現れることがあります。進行した症例では、潰瘍ができる場合もあります。
一方で、下肢静脈瘤とエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症に伴う肺塞栓症)を混同する人もいます。エコノミークラス症候群は、脚の深部にできた血のかたまり(深部静脈血栓)が肺に移動して起こる症状であり、下肢静脈瘤が原因で発生することは非常にまれです。
脚の静脈に負担がかかり続けると、下半身の血流が滞り、結果的に下肢静脈瘤が発症しやすくなります。例えば、長時間の立ち仕事を続けると、静脈に長時間にわたって圧力がかかり続けることになります。同様に、妊娠や出産によって骨盤が圧迫されると、下半身の血液の流れが滞りやすくなり、静脈瘤が発症しやすくなります。これは特に、出産経験のある女性に多く見られます。
そのほかにも、長時間座り続ける生活や運動不足、加齢によっても下肢静脈瘤が発症するリスクが高まります。さらに、両親のどちらかが下肢静脈瘤であると、男性の場合は25%、女性の場合は62%が下肢静脈瘤を発症するといったデータもあります。両親がどちらも下肢静脈瘤である場合には、90%がこの症状を発症することがあるとされています。