鈍い春



伸びをして 伸びをして カラダの輪郭をしりたい
雨でも 冷たい春の雨でも カラダの1日は流れている
「ぜったい、ここまで今日行く」なんて言ってみたこと 忘れていて安心していたい

欠伸をして 欠伸をして カラダの輪郭を知りたい
振りをしている 知りたがっている その振りを
「ふと、気がついて不安になったのです」なんて思ったことにして 春の濁流のせいにして

遅れて 遅れていて 背中にある感触を知りたい
新しくておおきな建物 何もしていないのにとっても怖かった
「いつもは、ここから見えているのにね」景色の代わりに白雨を 右手の代わりにあなたを


伸びをして 伸びをして カラダの輪郭を知りたい
泣いても眠っても カラダの1日は流れている
「こんなこと、知りたくなかった」言わなくても済むように 今日も靴を履く 

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