人生の基本と私の思い
当たり前のことを当たり前にやることが大事
いつも厳しい練習をしているのは、社会人になってから困難にあったときに「これくらいの苦労は野球の練習と比べてなんでもない」と思ってほしいから
今回は、智辯和歌山高校名誉監督である高嶋仁さんの言葉を紹介したい。高嶋前監督は、長く奈良県にある智弁学園野球部と智弁和歌山高校野球部を率いて、甲子園で3回の全国優勝と4回の準優勝を成し遂げられた監督である。また、高嶋前監督の甲子園通算勝利数68勝は、まだ打ち破られていない記録である。そして、2021年の甲子園は、奈良智弁学園と智弁和歌山高校が決勝戦を戦うこともあり、両校を率いた高嶋前監督の言葉を紹介したい。
高嶋前監督が言っていることは、人生の基本である。しかし、当たり前のことが出来ない、または出来なくなったりもする。例えば、サービス業において、当初は、「お客様のために」という気持ちで仕事に取り組む。しかし、商売が軌道に乗り始めると、少しくらい……という気持ちにだんだんと変わってしまい、始めの気持ちを忘れてしまう。そして、顧客がそのお店から離れていくことで、商売の基本についてもう一度考えさせられる。当たり前のことを当たり前に取り組むことは、物事が上手くいっている時こそ、心がけていないといけないことではないだろうか?
そして、2つ目の高嶋前監督の言葉は、常に私も考えていることである。教育とは、子どもを一人前にすることだと考える。いくら勉強において、成績優秀でも、人間としてのたくましさがなければ、自立できない。だから、子どもたちには、自立できるように、自信をつけさせる必要がある。過去でつけた自信が、長い人生で困難に出くわしたときに、一歩を踏み出す活力になる。私も、高校時代は野球部に所属していた。智辯和歌山高校ほど練習はきつくはないが(智辯和歌山高校の練習量は日本一だと思う)、練習量は多かったと思うし、たくさん怒られもした。しかし、そのおかげで、社会人になったとき、失敗をして気持ちが落ち込むことく、逆に失敗を取り返す気持ちで仕事に取り組むことが出来た。今の子どもたちにも、そのようになってもらいたい。このことが全ての子どもで実現できれば、日本は安泰であると思う。