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動詞に憑かれたひと①ティム・インゴルド
ティム・インゴルド。1948年生まれのイギリスの人類学者。ケンブリッジ大学で社会人類学の博士号を取得、1995年よりアバディーン大学で教鞭を執っている。哲学、社会学、生態心理学、芸術学、考古学、建築学など多様な領域をクロスオーバーする研究を精力的に展開。著書の「ライフ・オブ・ラインズ 線の生態人類学」は3部構成になっている。結び目をつくること、天候にさらされること、人間になること。つまり、本の構成すべてが「動詞」なのだ。特に、第三部の人間になること、この中に「人間であることは一つの動詞である」という章立てがある。オルテガの言葉を引用しながら「人間は自己製作者である」と語っているのが印象的だ。人間は自分自身をつくり、構築する。だが、人間はまだ成長する。あらゆる生物と同様、人間は個体発生の過程を経る。つまり、「生きている」という動名詞なのだ。