バージョンが企画の核を浮き彫りにする
世界制作を論じた哲学者ネルソン・グッドマン(1906-1998)。世界の何かについて説明するとき、何らかの方法で記述しなくてはならない。我々は「記述する方法に縛られている」ことを挙げ、世界は世界それ自体から成るのではなく、世界を記述する方法から成るのだ、と述べている。この記述の方法を「バージョン」と言う。唯一の絶対的な「世界」なるもの(the world)は、数多くの異なったバージョンからなり、それぞれのバージョンが正しく、対象をなし、唯一のものへと還元されるわけではない多くの世界(worlds)が存在する。そして、我々はそのバージョンを作ることによって世界をつくる(世界制作:World making)。量が質を決めるとしたら、バージョンの数が世界観を炙り出し、企画の核心を鮮明に浮き彫りにするだろう。
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