『不思議の国のアリス』のブラックジャックの進行⑤
ブラックジャックの進行の続きです。
4回戦(『地下』では2回戦)
第9章後半~第10章の海岸の場面
①Mock Turtle(tortoiseで8文字)
②Gryphon(Gryphonで7文字)
どちらか一方が♤6でもう一方が♤9
偽海亀Mock Turtleは「海亀に似て海亀ならざるもの」ですから、正体は陸亀tortoise。
8+7=15で、合計15になるのは残りのカードでは♤6と♤9の組み合わせだけ。
グリフォンとモックタートルは「2匹で1匹」のような要素があるので、これもありかと。
もちろん、ここにアリスの♤Aが加わっても合計16にしかなりません。
第9章のグリフォンの台詞「授業時間が1日1時間ずつ減っていくlesson→lessen」が「17に届いていない」状態を示すlessのサインになっています。
アリスは、別の仲間を求めて立ち去ります。
もう一つ、第10章の会話。
グリフォン「海の中でブーツやシューズを磨くにはwhitingを使う」
アリス「私はblacking(黒靴墨)を使うわ」
whitingに「タラ」と「白靴墨」という意味があることに掛けた言葉遊びですが、アリスのいう「地上の靴磨き」はblacking+boots→black+J→blackjack
となりますね。
グリフォン「これで分かったろう!」
5回戦(『地下』では3回戦)
第11章~第12章の法廷の場面
①Knave♤J
②アリス♤A
♤Jと♤Aでブラックジャック。
アリスが法廷に到着すると、White Rabbitがトランペットを吹き鳴らします。
動詞trumpは、名詞では「切り札」。
ブラックジャックのゲームにおける最強の役が出ることを予告しているわけですね。
今まさにタルト盗難容疑で裁かれようとしているKnave。
彼こそがデッキ最後の1枚、♤Jです。
(なぜこのKnaveが♤Jなのかはタルト裁判の項で説明します)
♤Aであるアリスが♤Jとペアを組み、最強の役である「ブラックジャック」が完成。
すると、物語後半に入ってからは小さいままだったアリスが、急に大きくなり始めます。
身体サイズが大きくなるのは「ゲームで有利になった証」でしたね。
ブラックジャックで「追加のカードは不要」という意思を示す言葉"stand"そのままに、大きくなったアリスが立ち上がります。
降りかかるカードも、もう怖くありません。
アリス勝ち。
ついに夢から醒める時が来ました。
蛇足ながら、もしこれが「ジョーカー有り」のルールで、そのジョーカーが敵側だったとしても、♡Kと♡Qとジョーカーの「21」に対しては♤Jと♤Aの「ブラックジャック」で勝てるはずですね。(ジョーカーがオールマイティになるルールを想定しています)
また、♤2、♤5、♤7、♤J、♤Aが既に固定されていて、残りのカードをbust(3枚)、less(3枚)、less(2枚)になるように振り分けるには、今回の方法しかないということも付け加えておきます。算数パズルですね。