『不思議の国のアリス』のポーカーの進行①
『不思議の国のアリス』前半のポーカーのゲーム進行について述べます。
この世界のルールその1。
夢から醒めて現実世界に戻るためにはアリスがゲームに勝利しなくてはなりません。
『不思議の国』ではトランプ、『鏡の国』ではチェスですね。
この世界のルールその2。
ゲームで有利になるとアリスの身体は大きくなり、不利になると小さくなります。
『鏡の国』ではアリス本人はサイズの変化を自覚していませんが、チェス盤や赤の女王、gnatなどとの比較によって相対的なサイズの変化を知ることができます。
ポーカーは全5回戦。先に3勝した方が勝ちになるrubber game(番勝負)です。
1回戦
アリスが「DRINK ME」と書かれたラベルの付いた瓶の中身を飲んで小さくなった直後にアスタリスクによる区切りが入り、1回戦が始まります。
『鏡の国のアリス』でアリスのポーンが先に進むときにも区切り記号がありましたよね。
アリスの「1人で2人ごっこをしても仕方がない」という台詞から、ノーペア(no pair)で、アリスの負け。(0勝1敗)
2回戦
「EAT ME」と干しブドウで記された小さなケーキを食べたところでアスタリスクによる区切りが入り、2回戦が始まります。
(本編が第2章に入るところです)
a pair of boots, a pair of gloveのa pairが、ワンペア(one pair)を表します。
また、ブーツの形がアルファベットのJの形ですから、トランプのジャック。
ドローポーカーのルールの中に「全員の手札がジャックのワンペアより下だったらカードを配り直す」というのがありますから、これも関係しているのでしょう。
ジャックのワンペアで、アリスの勝ち。(1勝1敗)
なお、今回の記事は『不思議の国のアリス』に基づいています。
細部は異なりますが『地下の国のアリス』のポーカーの進行も基本的に同じです。