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卒業のお祝いは学生ローンの返済免除!
ケビンです。
先日、僕のnoteでアメリカの卒業式のことを取り上げましたが(もしご覧になっていなければ下のリンクでお読みください)、今朝のニュースでこの卒業式に関連するびっくりするようなニュースがありました。
アメリカの学費事情
アメリカの大学は学費が非常に高く、多くの学生が奨学金を申請しています。成績の良い学生は返済の必要のない奨学金を受け取ることができます。けれども、そうでない学生は学生ローンを借りて勉強をします。その結果、学生たちは全米で平均3万2千ドル(約351万円)の借金を抱えて卒業します。
この学生ローンはアメリカでも社会問題になっていて、就職をしても少なくとも数年は給料をローンの返済のために支払われなければいけません。この影響で結婚が遅れたり、他のローンと重なって多重債務となり、場合によっては破産をしてしまう人もいます。
救世主現る!のニュース
今朝のニュースでは、そんなアメリカの学生達を救うニュースが報道されました。
アメリカのビリオネアであるロバート・スミス氏が、モアハウス大学の卒業式にスピーカーとして参加し、そのスピーチの中で卒業生396名の学生ローンをスミス氏とその家族が肩代わりをするとの声明を出しました。
このニュースを聞いた学生達は大喜び。数百万円もの借金がゼロになったのだから当然ですね!これから借金返済のために一生懸命働かなければならない、いわばマイナススタートだったものが、ゼロからの本当の意味での新しいスタートが切れるようになったのです。フォーブスによるとその総額は4000万ドル(約44億円)に上るとのことです。
スミス氏とモアハウス大学の関係は?
モアハウス大学はジョージア州アトランタにある男子大学で、歴史的にアフリカ系アメリカ人が学生のほとんどを占める大学です。この大学の卒業生として有名なのは、マーティン・ルーサー・キング牧師です。
スミス氏はアメリカのビスタ・エクイティ・パートナーズという投資会社の創業者で、フォーブスによると163番目に裕福なアメリカ人であり、アフリカ系アメリカ人では最も裕福なビリオネアです。
スミス氏はコーネル大学とコロンビア・ビジネス・スクールを卒業しているので、モアハウス大学とは関係ありませんが、今回は有名人の一人として卒業式のスピーチに呼ばれたのだと思います。先日のnoteでも書きましたが、アメリカでは卒業式のスピーチにはその時の有名人や学校に関連する人が呼ばれます。
スミス氏はスミソニアン博物館にあるアフリカ系アメリカ人歴史文化博物館(National Museum of African American History and Culture)の大きな寄付者でもあり、今回のモアスミス大学がアフリカ系アメリカ人が大多数を占める大学を応援するためのものだったと推測できます。
人種問題が決してなくならないアメリカで、特に貧困層が多いアフリカ系アメリカ人にとって、このニュースはとても大きなものだったと思います。
スミス氏のスピーチ全文
以下にスミス氏のスピーチ全文を載せましたので、興味のある人は是非ご覧ください(英語のみです)。34分から学生ローン免除のことが言及されています。
まとめ
アメリカのお金持ちの人たちはこのように慈善のための募金や献金を惜しまずにする人が多くいます。
アメリカは今でも色々な問題が残っていますが、このような嬉しいニュースがあると、アメリカっていい国なんだなと改めて思わされます。
ありがとう。