無題(2020/01/27)
2020年1月27日。
世界中のバスケットボールを愛する人々に衝撃を与える事件が起きた。
コービー・ブライアントの死去。
あれから一年が経つと思うと、時の流れは無情だと感じる。
自分を構成するパーツが一つ死んだような、形容しがたい感情に襲われ、やがて悲しみが押し寄せ、涙が溢れて止まらなかった。
僕がバスケットボールを始めたのは小学5年生の頃。
周りより背が高かった僕は、顧問の先生とバスケ部から熱烈な勧誘を受けていた。
根負けした僕はバスケットボールを始めるが、面白くなかったらすぐに辞めようと考えていた。
しかし始めてみると、どうにも楽しい。
バスケにドハマリした。
もっと上手くなりたいと思い、YouTubeでバスケットの動画を見漁っているとNBAスーパープレイ集なる動画が関連項目に出てきた。
何だこれはと、クリックすると一瞬で目を奪われた。
巨人が圧倒的身体能力を以ってコートを蹂躙する姿は、大きな刺激になった。
それからNBAのプレイ集を漁るうちに、コービー・ブライアントという男を知った。
どうやら一試合で81得点を成し遂げたらしい。
どんな化け物だ、と思い見てみるとNBAの中では別段背が高い人ではなかったが、巧みなスキルに闘志に奮い立たせられた僕は彼の動きを真似るようになる。
フェイダウェイシュートや、カットインしてからのフィニッシュ力。
正直僕のポジションはセンターだったので、残念ながら練習した動きをお披露目することは、ついになかった。
しかし、バスケットボールにおける彼の闘志、負けず嫌いのマインド、「マンバメンタリティー」は確実に受け継いだ(勝手に)。
彼が亡くなって世界中に悲しみを与えたけれど、マンバメンタリティーを胸に人生を駆け抜けた彼に憐れみは似合わないような気がした。
人間は、もしかしたら生まれながらに搭載している燃料があって。
ソレには個人差があるが、おおよそ同じくらいの量。
その燃料を燃やして、命を燃やして生きている。
コービーはきっと、飽くなき向上心とバスケを愛していたからこそ、その燃料を燃やしまくった。
バスケに対する情熱が故に。
地上に燃え盛るコービーを見つけた神様が、眩い魂を見初めて連れて行ってしまったんじゃないかなって。
多分天国で娘と一緒にバスケして、かつてのレジェンドに挑みながら僕らを待っているんだと思うと、今のうちにバスケの技術を磨かなければと思う今日このごろなのでした。