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ほぼ毎日ほぼ500字短編:その7「宝石」

「テルナさんが、最初に好きになった宝石って何ですか?」

晩秋の月曜日。お店の常連客であるテルナさんに、ずっと気になっていたことを聞いてみる。

「そうね……。メノウかしら。幼い頃に新聞のチラシで見て、初めて綺麗だなって思ったの」

テルナさんが、アクセサリーが並べられたショーケースを眺めて、懐かしそうにする。

「へー。私、ダイヤモンドとかアメジストみたいな、キラキラ輝く子かと思っていました」

テルナさんは、ふふっと柔らかく微笑む。

「たしかに、ダイヤやアメジストのような輝く宝石も好きよ。でも、たとえ光を反射しなくても、鈍い輝きで人々を魅了してしまう宝石の方が、私自身を表しているようで好きなの」

テルナさんがカフェオレに口をつける。

「逆に、ツムギさんはどんな宝石が好きなの?」
「私は、全部です!」

気合いの入った即答に、テルナさんはぷっと噴き出した。

「そうよね。そうじゃなきゃ、アクセサリー店を開いていないものね」
「はい! どんな子でも、私はその子の魅力を存分に発揮させたいと思ってデザインしていますから」

私は満面の笑みを浮かべる。
太陽の光に当たった宝石たちが、光を乱反射させていた。

2024年11月11日 pixiv創作アイディアより

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