ほぼ毎日ほぼ500字短編:その10「スイーツ」
「ねぇねぇ知ってる? この辺りの怪談話」
「なにそれ?」
「夜道を歩いていると、フードを目深にかぶった人から声をかけられるの。『あなたはケーキが好き? それともおはぎが好き?』って」
「好きなスイーツを聞いてくるの?」
「そうそう。でね、ケーキって答えると『あなたも砂糖に浸けてあげる』って言葉の後、急に息苦しくなって、そのまま」
「おはぎは?」
「おはぎだと『あなたも半殺しにしてあげる』って、包丁でグチャグチャにされちゃうんだって」
「どっちもダメじゃん」
「でもね『スルメが