本屋「ごっこ」
私はとても飽きっぽい性質で、そんな私を私は全然信頼してはいないのです。
体力も全然ない、気力もない、お金も、場所もない、
ないない尽くめであり、
過去を振り返ると、中途半端に打ち捨てたものの残骸が散らばり、
「本屋をやりたいだと?また続かないよ。」と笑う自分の声がして、
「本屋をはじめるよー!」というような希望に溢れた宣言はできず、
「ごっこ遊びです。」と予防線を張る、極めて意気地のない者です。
何がどう転がるかはまだ分からず、粛々と続けていくのかもしれませんが。
「本屋ごっこ」ではなく、本屋「ごっこ」という書き方にしたのは、この「ごっこ」の部分の切り離しができる設計なのです。
「本屋になりたい」と、どれくらい前になるかずっと言っていて、
なりたいと思った頃の理由は忘れてしまいました。
この度iriai Tempo様に場所をお借りして、開かれた本棚を置かせていただけることになった時、本棚から本を選ぶのですが、非常に危ないことをしている気持ちになり、ぞくぞくしました。たぶん、それが動機です。
本は世界の見え方変えてしまう危険があり、ピンボールのボールがぶつかって予想しない方に飛んでいくみたいな、そんなものに委ねるのは危ない。
世界は数え切れないくらいにあるのだと思う、たぶん。
だから、
臆病な心が吹き飛ぶくらいの鮮やかさに出会ってみたい。
他の誰のためにとか、地域のためにとかというよりも、まずは自分のために本屋になりたいと思いました。
見切り発車
というわけで、本屋としては非常に見切り発車となりました。
当初の予定では、
古物商営業許可申請→開業届@税務署→屋号の登録→ホームページの制作
最低限これができればという感じでしたが。
「本屋」をやらせてもらえる場所が決まる→本棚をDIY→蔵書を並べる
そっちの流れに乗り換えることになりました。
貸し出しをしたり購入してもらえるような仕組みは間に合っていません。(国会図書館みたいですみません、だんだん整えていきますので。)厳選の蔵書を並べています。出会うとなかなか面白い本たちだと思っています。
今は特にこのつくば、北条、桜川市などにゆかりのある本が多めです。
天栖土食虫という名前について
「あますみかつちはむむし」と読みます。
あまり本屋らしくはない名前です。
「空の下に住んでいて土から取れるものを食べてる生き物」そんな意味にしたくて漢字を集めて万葉読みっぽくしました。
「虫」というのは、中国の古い用法で、広く生き物っていう意味があったのをふと思い出して。昆虫や小さな生き物たちのことでも別にいいのですが。
ご飯を拵えるのが楽しくてたまらない食いしん坊です。
人間は人間の清きご飯を、クマゲラはクマゲラのご飯を、微生物は微生物のご飯を、今日も美味しく食べていますように。
2023/12/22 冬至