エッセイ)志望動機が『家から近いから』じゃ駄目なんすかね?
就職の面接で必ず志望動機って聞かれるじゃないですか?あの時に、誰しもがその会社に入りたい訳だから、自己PRも兼ねて思ってもないポジティブな事を言う訳ですよ。『グローバルな視点から、ベトナムを中心としたアジアに力を入れた事業展開を行われている戦略にとても魅力を感じて…』的な事を。
ただ、本当にそうなのかと言えば、多分違うんじゃないですか。
そこそこの給料をくれて、そこまでしんどくない感じだし、自分のスキルでなんとかなりそうかなぁって所が本心なんじゃないですか?
自分が今の会社を選んだ理由は、そんな感じで決定打になったのは、転勤がなくて家から近いからです。
意識を高く持って、キャリアアップだとか人間形成の一環として仕事を捉えてる方からしたら、『えっ?バイトじゃあるまいし…』って思われそうですけど、前職が3ヶ月から半年に1度のペースで転勤があり、転勤場所も車通勤で1時間〜1時間半くらいの所だったんで、その都度、引っ越しをするわけにもいかなくて、ずっと車通勤をしていたんです。それが、かなりきつかった。
満員電車に揺られて通勤してる人やドライブが好きな人からしたら、1時間弱の運転なんて『どうって事ないでしょ』って思われそうですけど、自分は運転が嫌いなんで、通勤自体に凄く疲労してしまって…。精神的にも削られている感じでした。
出社するだけで、何かと浪費しているわけだから、いざ働こうって時には、既にやる気が2割減になってパフォーマンスが下がってました。
だから、転職の際に『家から近い』って言うのは、かなり優先度が高かったわけです。
それこそ『やりがい』だとかよりもよっぽど大切だったんです。
『家から近い』って理由で仕事を決めたなんて、かなりしょうもないと思われるでしょうけど、そもそも仕事の優先順位を人生の中でどの位の位置に置いているかは人それぞれだと思うんです。
コロナ禍で転職をした人が多いのも、結局は世間一般の『仕事は大事』ってのを真に受けて、仕事の優先順位を高くしていた事が原因なのではないでしょうか?
世界が大きく変わっていく中で、改めて自身に問いかけた際に『あれ?これでいいのかな?』ってなった人達が、仕事を優先にして生きる人生に価値を見出せなくなったというか、人生の中で自分が本当に大切にしているものに気付いたからではないのでしょうか?
生きていく上でお金は絶対に必要です。
だから、そのお金を稼ぐ手段である仕事も、もちろん大切です。だからといって、仕事の優先順位を全員が1番高くする必要はないんです。
考え方なんて人それぞれで、幸せを得られる方法も人それぞれ。仕事を頑張って評価されてスキルアップやプロモーションに幸せを感じる人もいれば、仕事はそこそこに趣味など、自分の為に使える時間を得られる事に幸せを感じる人もいます。結局はどんな理由で選んだ仕事であっても、最終的に自分が幸せを感じられるかどうかが、大切なんです。
今、凄く頑張って働いているのにあまり幸せじゃないなって思う人は、一度、自分自身にしっかりと問いかけて、本当に大切にしているものはなんなのかって事を見つめ直されてみてはいかがでしょうか?色んなしがらみもあり、仕事をすぐに変えるの事はなかなか難しいでしょう。そんな人は肩肘を張らずに、仕事はあくまで仕事でこれが全てではないって思えたら、少しは楽になれるんではないでしょうか?
あっ!因みに面接の志望動機を『家から近いからです』って馬鹿正直に言ってしまうと、落とされてしまうんで、その辺は上手い事、誤魔化して下さいね。
おわり