私の尊敬する千葉雅也さん(哲学者)と濱口秀司さん(ビジネスデザイナー)について
哲学者の千葉雅也さん。
ビジネスデザイナーの濱口秀司さん。
私の私淑するお二人です。
千葉先生の『勉強の哲学』のあれこれ
今日は、千葉雅也さんの『勉強の哲学』のエッセンスを会社の上司に共有して非常に深い学びのあった日でした。
(自分の解釈での)『勉強の哲学』の核となる主張は、人間は「とりあえず周囲の環境に合わせる」という単なるバカの状態から、勉強することで、「周囲の空気を読まない(読めない)バカ」になる。そして、究極的には自分からノリを作り出す「来たるべきバカ」になる、というものです。
アイロニーとユーモアについても千葉さんはきわめてクリアに説明されています。アイロニーというツッコミの機能と、ユーモアというボケの機能がどちらも作用することにより、話が続いていく。
コードとは、千葉先生によると、「(こういうときは)こうするもんだ」という、規定された振る舞いのパターンのような物みたいです。
千葉先生は、環境のノリにただ合わせる生き方について、それで幸せな人に無理に勉強を勧めることはされません。ただ、今の自分を変えたいと願う人が、いったん人生の勢いがしぼむリスクを取ってでも勉強するための手がかりとして『勉強の哲学』が有用なのだと私はおもいます。
言語を玩具的に使用してみてください、と千葉先生は促します。当たり前に使っている言葉の「異物感」を味わうというのが、哲学のセンスを磨くきっかけになるのだと思います。
欲望年表を書くことを千葉先生は薦めます。自分が生まれ育った環境を改めて言語化して認識することで、当たり前だと思っていた自分の好みや関心や趣味等が、実は家庭や地域や時代背景の影響を受けていたことを知ることができるからです。
言語偏重の人になりましょう、と千葉先生は仰っています。それは多分、そもそも哲学が、人々が思考する道具としての概念を言語として定義する(開発する)営みだからだと思われます。
濱口秀司さんについて
濱口さんは、知る人ぞ知る伝説のイノベーターです。濱口さんの凄いところは無数にありますが、あえて一つだけ挙げるなら、イノベーションを起こす方法を現時点で最もクリアに言語化し体現し実行しているコンサルタントである点だと考えます。
濱口さんはパナソニック出身です。主な発明として、マイナスイオンドライヤーや、USBメモリがあります。でも企画して終わりでなく、現場レベルの売り場作りから、経営層の意思決定まで、すべてを当事者として熟知しています。
濱口さんは「break the bias」と呼びかけます。業界や企業や個人が無意識に内包している「当たり前」を壊すことがイノベーションになるからです。よく「破壊的イノベーション」という言葉が使われることがありますが、濱口さんはビジネスにおける常識を破壊する達人です。
「Stractured Chaos」のモードに脳を保つことが創造性に欠かせないと濱口さんは仰っています。構造的な厳密な思考と、クリエイティブなゆるい思考のどちらも同時に起動させるイメージで私は捉えてます。
無理矢理なまとめ
僕は千葉先生のような哲学のプロには多分なれないでしょう。かといって、濱口秀司さんのようなスタイルのビジネスの達人にも多分なれない気がします。
僕は、千葉雅也さんはニーチェの敬愛者、濱口秀司さんはスティーブ・ジョブズの敬愛者と思っています。
人類が進歩する為に多大な貢献をした先人たちを敬愛する方々を心から尊敬しています。