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勇気を出して彼女に声をかけた、あの日

中学時代…。彼女が欲しかった…。
しかし、女の子に声をかける勇気は、僕にはなかった…。

高校へ入学した。
高校生ともなると、彼女ぐらいいなけりゃいけない。僕はそう思った。
周りの奴らも皆おなじだった。どうしたら彼女できるかな~。奴らとの会話はそんなのばかり。

僕の家の近くに、〇〇学園という女子高がある。そこに通う子が毎日ほぼ同じ時間帯に僕の家の前を通る。

近所に住む友人と話題なった。「今日あの子見かけたぜ」「あ、俺はこないだ見かけた」「お前んちの前を必ず通るよな」「いい感じの子だよな!」こんな会話をしたものだ。

ハッキリ言って好みだった!

僕は決めた!

彼女に声をかけようと!

   

彼女は、僕の家の前を通り過ぎ、少し先にある公園を曲がって帰る。
僕は公園の前で待つことに決めた。流石に僕の家の前で待つのはね~(笑)
だから公園の前を選んだ。

今度の土曜にしよう。土曜は学校が半日で終わるからね。ちょうどいいや。

因みに僕の高校はチャリで15分のところにある。その日は、授業が終わったら猛ダッシュでチャリを漕ぎ家路を急いだ。

公園に着いた。
後は彼女を待つだけだ。けっこう待った。

もの凄く緊張した。心臓がドッキン!ドッキン!と重音を響かせながら、今にも口から飛び出してきそうな感じだった。つーか、体中が心臓だったな、あのときは。

ドッキン!ドッキン!

今までの人生で一番緊張したのは、あのときだった(かな?)

何の作戦もなかった。ただ声をかけようと。

でも、あわよくばデートを誘いたいな。あ、でも、まずは電話番号か。

ドッキン!ドッキン!

心臓が口から出てきた。出てきた心臓を手で口の中へ押し込み、また出てきては押し込み。そんなことの繰り返し。そんな訳ないだろ(笑)

あまりに緊張が凄いから、今日はやめて今度にしようか…😅

もう一人の弱気の僕が耳元で囁いた。

ふざけるな!ここで止めたら男が廃る!俺は決めたんだ!

僕は待った。


遠目に彼女が歩いてくるのが見えた。

よし!来るぞ!

スタッ スタッ スタッ

彼女が来た!

僕は彼女の前に立った。そして声をかけた。

「ねぇ、俺のこと知ってる?」

「えっ、知りません」

「あっ、そう、じゃ、またね」

「はい」

彼女はきょとんとしていた。そして、公園を曲がって帰って行った。


実にあっけない幕引きだった…😂

でも、なんとなく僕の心は満足だった。

自分に課した最低限のミッションは果たしたのだから。なんてね(笑)

本当はその後に続く何かが欲しかったんだけどね。でもさ、声をかけれた、ということで満足しちゃったのかね😅

F1ドライバーのような瞬発力のある奴だったら、きっとデートに誘ったんだろうな(笑)

でも僕は、そこまで行かなかった。


16才のあの日。
僕なりに一歩踏み出してみた。

その先? なんだろ? 今思い出してる(笑)

そうだ! あの日を境に女の子と話せるようになったことだ!😁


今計算した。42年前のことだわ。
あの日にかえりたい、とは思わない(笑)
でも、あのころの体力には戻りたい(笑)

ありがとう🍀



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